Act.5
「おはようございます土方さん」
「ああ」
寝起きのくせに完璧なポーカーフェイスと完璧な容姿に腹が立ったので少しいじめた。
「チャック開いてますよ」
冗談でそう言うと土方さんは少しだけ焦ってズボンを確かめた。
がしかし、もちろんチャックが開いてるわけなんかなくて、土方さんは額に青筋をたてた。あれ、これ死亡フラグ?
「まあまあたまにはいいじゃないっすかー!ねっ」
ねっ、に合わせて土方さんのお尻をぺちん、と叩いたらこれまたもちろん、土方さんはぶちぎれた。
「はるてめぇ…」
「…ちょっと逃げた方がいいかも」
「あ、ちょ、逃げんなコラ!」
やっぱり土方さんがそんなことさせるわけなくて、素早くあたしの首根っこを捕まえた。
流石と言ったところか。沖田さんで慣れてんのか。
「…沖田さん」
「あ?」
「そうだ!沖田さんは?あたしまだ沖田さんに挨拶してない!」
「…総悟なら食堂に居るはずだが」
「いってきます!」
そう言ってなんとか土方さんの手からは逃れられた。
昨日案内された通りに食堂に向かった。
「沖田さん沖田さん」
「なんでィ」
「あ、いた」
「お世話になります前田はるです!」
「ああ、昨日来たっつー雌豚か」
「雌豚ですと!?」
やべえこいつまじドSじゃんやばいじゃんめっさ興奮するじゃん!
銀魂キャラでは3番目ぐらいに好きだった沖田さん。ここに来て順位がぐっとあがりましたァァァァァ!!!
「沖田さんハァハァ」
「…痴女ですかィ」
「ノンノンノン美女です」
「どっちかっつーと微女だろィ」
「微女!?なにそれ」
「微妙に女って事でさァ」
「嬉しくない!ものすごく嬉しくない!」
「うるせぇ黙れ」
「すまん」
「……飯食わねぇんですかィ」
図々しく飯まで頂いてよろしいのでしょうか。流石にそこまで図々しくないよあたし。
「そこまでしていただくわけにはいきません」
「その言葉をヨダレ垂らさずに言えたら立派ですがねィ」
そう言って沖田さんは自分が食べてるご飯をお箸で一口サイズ摘まんだ。
それを食べるのかと思えばこっちに差し出して来た。
「?」
「いらねぇんですかィ?」
「!食べます!」
パクリと沖田さんの差し出すお箸に食いついたらこれまたものすごく美味しい。普通の米だけど久々のご飯だからか美味しく感じたのか。
「んまんま」
「そりゃよかった」
そう言って他のオカズも分けてくれる沖田さん。意外と優しくね?
Act.5 いただきます
(沖田さん優しすぎわろた)
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