存在意義
「何もなくなってたんです」
気付いたころには、
「なにも、なにも、」
「分かったからもう何も言うな」
「父さんも母さんも、みんな、居なくて、」
「はる、」
「生き残ったのはあたしだけで、」
「はる!」
「あたしも死にたかった…っ」
「っざけんな!」
ガタン、と机が音を鳴らした。
土方さんが叩いたんだ。
「…死にたいなんて、言わないでくれ…っ」
「ごめ、ごめん、なさ、」
なんであたしは人を悲しませる事しか出来ないのかな。
「土方さ、ん、貴方がいて、本当に良かった」
「、ああ」
「貴方が居なければあたしはどうなってたか、」
「…もういい。何も言うな」
そう言って土方さんはあたしを抱きしめた。
貴方が居なかったらあたしは、
(死んでいたのかもしれない)
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