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「お前のねーちゃんすっげえ可愛いのな」
「…そうかな」
「そうだろ!いやマジ可愛いわ」


せっかくのデートだったのに銀ちゃんは一日中姉ちゃんの事しか話さなかった。だから嫌だったんだ。

きっと銀ちゃんともこのまま終わる。今までだってそうだった。姉ちゃんに近付くためにあたしを利用しただけの人だっていた。だけどそんなのに引っかかるあたしが悪いんだって、ずっと我慢してた。

だけど今回だけは、銀ちゃんだけは本当にやめて欲しい。こんな気持ち初めてで、よくわからないけど銀ちゃんだけは絶対に、そんな結論になってほしくない。

銀ちゃんが帰って家にはあたしと姉ちゃん2人きり。姉ちゃんに会うのは嫌だし部屋に篭ったきり。トイレも姉ちゃんに会わずに行ける所にあるし問題はない、はずだったのに。


「はる」


姉ちゃんが部屋を訪ねてきた。


「なに」
「相変わらず冷たいわね〜」
「…要件は」
「母さんがね〜はるの事ぐちぐちうるさいの。あの子ははやく出て行ってくれないかしら、って」
「…嫌味を言いにきたの?」


そういったら姉ちゃんはわざとらしくクスクスと笑ってから言った。


「あんたの彼氏、またあたしがもらっていい?」
「っ、やめて!」
「あはは、その顔面白い。」
「銀ちゃんだけは、」
「銀ちゃん、っていうんだ。うん、見立て役ご苦労様」


まただ。また、悪い予感がする。もう終わりだ。全部、終わりだ。



誰の目にもあたしは映らない
(誰かあたしを見て)

▼イ

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テーマ「人外ファンタジー」
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