小説 | ナノ

06



「まてまてまてまて」

「なに?」

「なに?じゃないよね涼ちゃん分かるよね。」

「は?」

「ゲスとか求めてないのでそのクソ怖い顔とボール投げてくるのやめて」

「ゴール下に居るのが悪いんスよ」

「お前の目は節穴か」


ここにゴールなんかないだろうがバカタレ。なんて怖くて口が裂けても言えません。


「あ、そうだ先輩今月の雑誌買ったよ〜相変わらずキラキラしてた」

「キラキラってなんスか」

「キラキラはキラキラだよ〜!かっこよかった!」

「……そう。」


ふいっと顔をそらした涼ちゃんはそのまま練習に戻って行ってしまった。


「あんな事言うと黄瀬くんが調子に乗るのでやめて下さい」

「黄瀬ちん調子乗るとウザいんだよね〜」

「いやぁ、涼ちゃんは言われ慣れてますよ」

「ええ、他の女子の方からは、ですが」


何それどういう事ですか、って聞いたら紫原先輩が何か言いかけたけど黒子先輩が制止をかけて聞けなかった。


「あれ、紫原先輩今日お菓子は?」

「赤ちんに取られた〜」

「あららー…」


しゅん、と落ち込んだ様にぐってりしてる紫原先輩がなんだか可愛いような可哀想なような。

あ、そういえばあたしキャラメル持ってたような。


「あ、やっぱりあった。」

「はるちん、それ、」

「キャラメル持ってました!あげます!」

「!ありがと〜」

「赤司先輩には内緒ですよ」

「僕ちょっと赤司くんに用事が出来ました」

「やめて下さいお願いします命が惜しいんですううううう!先輩にもあげますからあああああ!」


なんて言って黒子先輩が聞くわけなんかなく、その後は赤司先輩にみっちり叱られました。そりゃあもうみっちりと。

黒子先輩覚えてろよ。



06ゲスい先輩なんか求めてないです
(ごめんなさい赤司先輩いいいい)

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