小説 | ナノ

05


「緑間せんぱーい、」

「なんだ」

「これ!ラッキーアイテムですよね?おは朝見たんですけどこんな女の子っぽいの緑間先輩は持ってないかな、って」

「…ああ、ありがたく受け取っておくのだよ」


そう言ってあたしの手からシュシュを取った緑間先輩。

緑間先輩はなんていうかまあ変人で、いつも片手に変なものを持っていたりする。

そして今日のラッキーアイテムはシュシュだったのだ。


「緑間先輩可愛いですね…」

「う、うるさいのだよ!」

「ツンデレ可愛いです結婚しましょう」

「死ね」


あ、今あたしの心に大きなダメージを食らった。痛い。

すごく冷めた目で見てくる緑間先輩に冗談ですよ、と言ってからドリンクを作りに水道に向かった。


「お疲れ様です、はるさん」

「黒子先輩こんにちは。ミスディレやめて下さいね。心臓止まるかと思いました」


ひと気も無いのにいきなり声をかけられたらそりゃもう驚くったらない。


「そのまま止まっても良かったんですけどね」

「死ねと?」

「あれ、そう聞こえませんでしたか?ならもう一度言ってあげましょうか?死んで下さい」

「何自己解決してるんですか聞こえてましたよバッチリ。ただ冗談かと思ったんですー」

「ムカつく顔ですね」

「なんなんだお前」


いっけね。黒子先輩にお前とか言っちゃった。タメ語になっちゃった。やだ怖い。

恐る恐る黒子先輩の顔を覗き込むあたしとは裏腹に黒子先輩は特に気にしていないようで平然としていた。


「まぁでも、夏ですし無理はしちゃダメですよ。一応女の子なんですから」

「一応は余計ですけどありがとうございます。」


そう言って軽く頭を下げたあたしを見て黒子先輩はそれでは、と言ってあたしに背を向けた。

……ああ、これはやばい。



05 つまりはみんなツンデレ
(やばいドキュンときた)


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