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あたしの全てはお姉ちゃんに持ってかれたんじゃないだろうか。

家事も出来て勉強も出来るし容姿端麗、人との関わり方もよく分かってる。非の打ち所がないとはまさにこのことではないだろうか。ただそれは姉の事であってあたしのことではない。


「つまらない」


本当に、つまらない。完璧すぎて気持ち悪いじゃないか。

それなのにみんなあたしよりお姉ちゃんを大事にする。家族も、学校のひとも、みんな。あたしは誰かの1番になった事なんてない。なりたくもないけど。

だからといってお姉ちゃんが嫌いでもないし蹴落とそうだなんて大それた事も考えていない。お姉ちゃんはあたしにも平等に優しくしてくれるし稀に叱ってくれる事もある。だからお姉ちゃんを恨んだりする事なんか一度たりともなくて、逆に大好きだ。

だけどあたしを見て欲しい、って寂しくなったりもする。泣きたくなったりもする。

あたしはただ、少しでいいから自分を見て欲しい。あたしに寄って来る人は大抵お姉ちゃん狙いだもの。



寂しいなあ、ほんと。



あたしをみて
(自分自身を見て欲しいの)



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