深夜1時。いつもなら神楽も俺もすやすや寝てる時間だ。 だが今日だけは違って、ガラガラと戸があく音に俺は木刀片手に寝室を出た。 こんな家に来たって取るもんなんかねぇのに泥棒っつーのも馬鹿なもんだな。 一歩また一歩と玄関に近付いたら聞こえた声に驚きを隠せなかった。 「よっこらせ、…おじゃましまーす」 「はる!?」 「おう!銀ちゃんおはよ」 「っバカかお前!今何時だと思ってんだ時間見ろ!」 「そんな怒らなくてもいいじゃん」 「怒らずにいられっかよ!!」 たまらず声を荒げる俺にはるは笑顔を引っ込めて眉を八の字に寄せた。 「ごめんなさい」 「…はぁ。はる」 「…」 「俺ァお前が心配だから怒ってんだよ」 そう言ったらはるはポカンとしたような顔を上げた。 「夜は何があるかわかんねえだろ。来るなら俺を呼べ」 「、ぎんちゃん」 「ったく。とりあえず入れ」 「あ、うん」 靴を脱いでから上がるはるを見て俺も戻った。 ほんとにこのバカは何も考えないで行動しやがる。何かあってからじゃおせぇっつーんだ。 「銀ちゃん、ごめんね」 「別に謝ることじゃねぇよ」 「でも安心して!途中で土方さんにあったから!」 「…あん?」 「夜の巡回だって。大変だよねー」 「お前それで、大串くんに送ってもらったのか?」 「おうよ」 つくづくムカつくクソガキだなこいつは。どんだけ人イライラさせりゃ気がすむんだ。 「はる」 名前を呼んだら振り返るはるを怒りに任せて押し倒した。 そしたら案の定、驚いたように目を見開くはる。 「生憎俺ァそこまで我慢出来る程大人じゃねえんだわ」 「え、ちょ、そこまでって、どこまで?」 ここまでされて気にするとこそこ!?ちょっとマジでなんなのコイツ。 「はる」 「ひっ、ちか、近いよ銀ちゃん!やめ、くすぐった、」 はるの首元に顔を埋めるとくすぐったそうに暴れるはるを片手で押さえて首元に口付けた。 「ぎんちゃ、っ!」 フルフル震えるはるの顔は真っ赤で普段の余裕が全くない。 下着見られても腹見えても動じないはるだから余計に可愛く見える。 「こんなことされたくねえなら、」 首元から離れると顔を真っ赤にして涙を浮かばせるはるの顔と首元の真っ赤な跡がハッキリと見えた。 「もう煽らねぇこったな」 「…っバカヤロー」 背後に聞こえた声に何とでも言え、と言って自室に戻った。 ほんとうにおまえは (あまり舐めて見んなよ) (銀ちゃん一緒に寝よ)
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