∴ちーちゃんの彼女



『て、事です。龍ちゃんありがとうね!』

「俺は何もしてねーよ」

『いやいや、あの時の龍ちゃんは演技派だった!』

「(演技、じゃねーけど)」


この前の修羅場からあたしたちの仲は幼なじみから恋仲に変わりました。

あたしはちーちゃんの彼女になったのです!そしてちーちゃんはあたしの彼氏!


『ね。ちーちゃん』

「…」


聞いてなかったねこの人。

ちーちゃんは以前より優しくはなったが話を聞かないのは相変わらずである。


『法律上16歳で結婚できるんだよ!』

「馬鹿かお前」

『んなっ!龍ちゃん生意気!』


この頃反抗期の龍ちゃん。お口が悪いです。でも何気ない優しさにキュンキュンするのです。

『龍ちゃんも彼女できるといーね』

「うるせーよ」

『反抗期なのは仕方ないけどあたしのお兄ちゃん怒ったら怖いよ』

「お前にだけだから大丈夫」

『むきゃー!』


反抗期むきゃー!



そんなやり取りを見ていたちーちゃんが呆れた様にため息を零した。幸せ逃げちゃうぞー。

その内取っ組み合いが始まっちゃうんじゃないかって時にちーちゃんが止めた。


「子供じゃあるまいし少しは落ち着かんか。」

『ふぇーい』

「…まーいーや。俺今日平助と遊びに行くから。」

『ばいばい反抗期の中学生』

「ああ。じゃあな、ちいせぇ小学生」



殴ったろか。

拳を握りしめて怒りを沈めたところでお兄ちゃんが入って来た。龍ちゃんと入れ違いか。


『お兄ちゃんおかうぇるー』

「おー。お前今日修羅場やばかったんだって?」

『…ん?』

「井吹から聞いた」


あの野郎口軽いな。もう龍ちゃんには何も言わない。お口はミッフィーよ。

…いやいや、思い出したよあたし。ちーちゃんキスはしてなくても膝に座らしてたよね。まさかAさんは浮いてましたーとか言わないよね。言ったら殴ろ。


『ちーちゃん質問!』

「何だ」

『ちーちゃんさ、キスはしてなくても膝にAさん座ってましたよね?』

「あぁ…。あれはあちらが強引に乗って来たまでだ。女だから手を出すわけにはいかぬ。だからと言って口で言って聞くような奴でも無かった。男だったらあの世だったな。」


確かにちーちゃん女の子に手出さないし口調も気をつけてるもんね。いやでも男だったら、ってのもどうかと思うよ。ちーちゃんの膝に男なんか座ってたらあたし怒るよりか爆笑だよ。


『ちーちゃん天然ていうかなんていうか。』

「…で、お前らは上手くいったわけ?」

『お蔭様で!』

「おめでとさん。風間ァ、泣かすんじゃねーぞ?」

「何を言う。泣き顔を見るのが快感だろう。」

『き、鬼畜!酷い!』

「冗談だ。そうムキになるな。」


ちーちゃんが言ったら冗談に聞こえないよね。


あたしはちーちゃんの妖艶な笑みを見るのが快感です。



さてはてこれからどうなるのでしょうか。



(うきうきるんるん)
(やっとくっついたのか)
(ああ)


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