∴新しい同居人



「世話になる、な。」

『龍ちゃん遠慮しないでいいんだよー!』


その翌日、龍ちゃんが同居することが決まった。お兄ちゃんもぶっきらぼうながらも歓迎してくれた。


が、どうもちーちゃんは龍ちゃんを好かない。相性悪いのかな?まあ気にする事無いだろうけど。


そのうち仲良くなるよね、きっと。

『ちーちゃんー寒いねー』

「…」

『そーいえば生徒会最近忙しいんだよね?』

「ああ。」

『じゃああたしも手伝うよ!』


今日もあたしの特等席であるちーちゃんの膝に座ってのんびりとお話をしてた。

龍ちゃんはちーちゃんの事が苦手らしくお兄ちゃんとお話してる。

驚く事に、龍ちゃんはお兄ちゃんにとっても懐いてる。何をするにもお兄ちゃんの後ろをチョコチョコ着いて廻る。その姿がなんとも可愛らしい。

お兄ちゃんはお兄ちゃん気質だから懐かれやすいんだろうなー。でもそれ言ったらちーちゃんだって面倒見が良い。なのになんでちーちゃんには懐かないんだろう。


『ちーちゃん、すきー』

「…」

『だいすきーあいらびゅー』

「…」

『ちーちゃん無視かいコノヤロー』

「…」

『…おーい』

「…何だ」

『やっと気付いたか!』



コノヤロー何だか今日不機嫌なのでございます。


龍ちゃんの事が余程気に入らないのだろうか。いやそれはないか。なんだかんだ世話焼いてるし結ばれてる龍ちゃんの前髪だってちーちゃんが邪魔そうだな、って言って結ってた。


ちーちゃんは嫌いな人に関しては何もしない。完全無視するのです。


『はて…』

「人を呼んでおいて考え事か?」

『は!ゴメンなしゃひ痛っ!』


見事に舌噛んだ。ちーちゃんが焦らすから!ムキーッ


ちーちゃんがまた黙り込み出したのでもうあたしもだんまり。ちーちゃんの膝の上でちーちゃんの指で遊ぶ事にした。

指長いし細いし白いし綺麗だなー。とかなんとか考えてたら髪の毛を触られてる感じがしたので少し振り向くと、案の定ちーちゃんがあたしの髪をいじってらっしゃった。


な、何とも可愛らしいんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!


『ちーちゃん、あたしも龍ちゃんの前髪みたいに結って!』

「…こっち向け」

『ふぁーい』


…そして完成したのが噴水状態の前髪。龍ちゃんと同じ!


『ありがとーっ!』


ちーちゃんの機嫌が良くなってきて、やったーとか思ってたのに、


「帰るぞ」


お兄ちゃんタイミング悪い!コノヤロー!


『ちーちゃんと居たかったのになー。』

「帰れ」

『ぶー』

「邪魔したな、風間。」



ちーちゃんにばいばいしてから帰りました。


結局ちーちゃんの不機嫌の理由は何だったのか。



(また明日ね!)
(ああ)
(…お邪魔しました)
(龍ちゃんは気使いすぎだよー)


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