いつもおどおどして声の小さいはるがいつもに増して小さい。なにか悩んでるような、そんな感じでさっきから百面相。別に気になるとかそういうわけじゃねえけど。


「沖田せんぱい、」
「なんでィ」


はるには極力優しくしてやってるがこいつの態度はドS心が擽られるというもんなんでさァ。


「あの、沖田先輩、」
「なんでィ」


なんで2回呼んだのかは大体予想がつくからあえて気にしない。

拳を握りしめながらどうしようどうしようと呟きながら少し涙目になってきたはるを見てたら虐めたくなったけどそこは我慢。


「今日、さっき、えっと、あの、」
「さっさと言いなせェ」
「B組の、山田くんに告白されて、その、」
「…やまだ」


まあはるが一部の男子から人気なのは知ってたしさほど驚く事じゃねえけど。イラつかないといったら嘘になる。


「それで、ちゃんと断ったんですけど、山田くんが一日だけデートしてくれたら諦めるって、」
「それで、オッケーしちゃったってわけですかィ」
「ち、ちがうんです!ちゃんと断ったんですけど、山田くんに聞こえてなかったみたいで」


まあお前声小せえしな。山田あとで殺るか。つーか山田って誰。


「行けばいいんじゃねえの」
「え、沖田先輩はいいんですか?」


いい訳ねえだろ。でも行くなとか言う柄でもねえし。それに山田はデート行けなくなるはずだから。残念でしたー。


「わ、わたしは、」
「?」
「わたしは、沖田先輩以外とは、デートとか、そういうこと、したくない、です」


ああだからそういうのがダメなんでさァ、あんたは。男心が分かってねえ。


「じゃあ、行くな」


ほらな、言わない筈だったのに、言っちまったじゃねーか。



03 だからやめろって
(言ってるだろうが)




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