玄関ではるを待ってたら二階からはるの声が聞こえた。 階段の方に目を向けたらはると沖田が一緒におりてきた。 「あ、神威先輩!」 どうやら俺に気付いたらしいはるが声をあげた。 「すみません、待ちましたよね」 「うん、大丈夫」 「あの先生話長いんですよ!同じ事5回は言いましたよ!5回ですよ、5回!ね、沖田先輩!」 かなりご立腹なはるは沖田に同意を求めた。 「残念、6回でさァ」 「6回…!」 「お前1回聞き逃したろ」 「ああ、あの時!じゃあ6回ですね!」 「ああ」 無防備に沖田に笑顔を向けるはるにも満更でもない沖田にも腹が立った。 ていうか6回とか数えてたなんて2人揃ってバカだね。 「…はる、帰るヨ」 「あ、はい!靴とってくるのでちょっと待ってて下さい!」 慌てたように走ってったはるを見送ってから沖田を見た。 「…はるは俺のだヨ」 「今は、そうですねィ」 今は、を強調して言った沖田に若干イラっとしながら靴を取り出した。 「まぁ精々がんばりなよ」 「言われなくても」 漫画にしたらバチバチ、という文字が書かれるんじゃないだろうか。 そのくらい睨み合った。両者終始笑顔だったけどね。 「神威先輩!すみませ、くつ、あの、靴、掃除場所に置き忘れてたみたいで、すみません、遅れて、ほんとに、」 「はいはい大丈夫だから落ち着いて」 あせあせと喋るはるに苦笑しつつ頭を撫でた。 「あ、沖田先輩お疲れ様でした!部活頑張って下さいね!」 「……」 沖田に話しかけるはるとは反面にはるの顔をジッと見つめる沖田に悪い予感がした。 その悪い予感は的中して、目の前で沖田がはるのおでこに口付けた。 おでこはせーふですか (アウト。帰るよはる) (え、か、かむいせんぱ、)
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