小説 | ナノ


▼ 彼シャツ



「はるちゃん、透けてる」

「え、わっ!」


ブラが透けてると伝えるとどうしよう、と慌て出すはるちゃんに集まる熱い視線がうっとおしくて腹が立つ。

その感情に身を任せてはるちゃんの腕を引いてそこから出た。


「女の子なんだから気をつけなよー」

「うん、ごめん」

「何で謝んの。いいからほら、それ脱いでこっちに着替えて」

「え、それじゃ高尾くんが、」

「俺は部活の着替え持ってるから大丈夫」

「いやいや、でも、大丈夫です!」

「俺が大丈夫じゃないから、着て」


そう言えばはるちゃんはきょとん、と首を傾げた。可愛いな。


「他の男に自分の女の下着見せたくないだろ?」


そうすると顔を真っ赤にしてお借りします、と俺の手からシャツを受け取った。

はるちゃんが着替えてる間空き教室から出て誰かが入ってこないか見張る事にした。

するとがらがらと戸が開く音がして振り返るとはるちゃんが着替え終わったらしく自分のシャツ片手に出てきた。


「高尾くん、ありがと。もういいよ」


…なんていうか、ぶかぶかだな。男子と女子のシャツにあまり変わりはないんだけどはるちゃんはもともと体格が小さいから凄くぶかぶか。


これはこれでアウトかもしれない。


彼シャツ
(可愛すぎ)

prev / next

[ bunki ]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -