小説 | ナノ


▼ 緑間と黄瀬



「みどりまっちー!」


今日はクラスメイトの緑間くんと一緒に帰ることになった。

席が隣になってから仲良くなったんだよね。


「久しぶりっスね!」

「ああ」

「…そこの女の子は、もしかして」

「変な勘違いをするんじゃないのだよ」

「え、違うんスか?」

「クラスメイトだ」


あたしの話をする2人を交互に見ていたら黄瀬、と呼ばれた金髪の男性と目が合って思わず逸らした。


「何で目逸らすんスかー!?」

「黄瀬、うるさいのだよ」

「だってその子あからさまに目逸らしたんスよ!?傷付くっス」


そう言ってしょんぼり落ち込む黄瀬さんが見えて慌てた。


「あ、あの!すみません、あたし人見知りで、初対面の人と目合わせられなくて、あの、ほんと、嫌とかじゃないので!」


そう言ったら黄瀬さんは目を見開いてあたしを見た。


「きみ…」

「?」

「…名前は?」

「え、あ、前田はるです」

「はる、っち」


あたしの名前を呟いたかと思ったらバッと顔を上げてこちらを見るもんだから思わず緑間くんの背後に身を隠した。


「み、緑間くん、あの人、こわい」

「黄瀬、やめろ。前田が嫌がってるのだよ。」

「いや、まだ何もしてないっスよ!」

「まだと言うことは今からやるつもりだったのか」

「緑間くん帰ろ!は、はやく帰ろ!」

「…そうだな。」

「緑間っち、はるっちくださいっス!」

「は?何をバカな事を言っているのだよ」

「はるっち、海常高校に来てくださいっス」

「え、え、緑間くんどうしたら、」

「無視して構わないのだよ。行くぞ」

「あ、うん」


後ろの黄瀬さんにぺこりと頭を下げてから緑間くんの後ろについた。




ほしいっス!
(はるっちください!)
(何度来ても返事は同じなのだよ)

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