マルコが死んだ。

いつも優しくて座学も立体起動の使い方も何から何まで教えてくれたマルコ。

あたしはシャイでもともとあまり喋る方ではなくて104期生に友達と呼べる人も早々居ない。

だから本当に大切で大好きだったんだ、マルコの事が。


「それなのに、っマルコは、」

「……」

「マルコは、あたし、を、」


あたしを守って死んだんだ。

ジャンは人知れず死んだと言ったがあたしは、あたしだけは目の前でマルコが死んでいく様を見たんだ。


「ミカ、サ、あたし、ど、したら…っ、」

「…はる。マルコが死んだのは貴女の力不足だったのかもしれない。」

「…、っ」

「でも貴女を守ると決めたのはマルコ。貴女が全てを背負う必要は無い」


ミカサはそう言ってくれるけれどやはりあたしのせいだ。あたしが強かったらマルコは生きてた筈なんだ。

あたしのせいで、マルコが死んだんだ。


「も、やだっ、っう、あだしが、死ねば良かった、っんだ、」


何でマルコはあたしを助けたの。


「死にたい、死にたい、死に、たいっ、」


あたしを助けなければマルコは生きてたのに!!


「あたしなんか、っ助けなくて良かったんだよ、マルコ、」

「ふざけないで!」


いつもは感情を表に出さないミカサが大声を出すもんだから条件反射で顔を上げた。


「貴女がマルコを想う気持ちはよく分かる。だけどそれじゃああたしが、あたし達が、貴女を想う気持ちはどうなるの?」

「…で、でもあたしみんなとはなしたことなんか、ない、し、マルコの方がみんなと親しくて、それに、それに、」


あたしだってマルコに生きて欲しかった。


「どうしてそんな事を言い切れるの?話さなかったら仲間じゃないの?」

「…、」

「確かに貴女とよく話すのはマルコやあたしぐらいだったかもしれない。だけど貴女が知らないところで皆貴女の事を気にかけてる」

「うそ、だ、」

「本当。エレンやアルミンやジャンも、皆、貴女の事をよくあたしやマルコに聞いてくる」

「、なんで、みんな、」

「貴女が大切だから」


皆があたしの事を気にかけてくれてる、そんな事あっていいのか。

あたしがそんなに幸せでいいのか。


「だからはる死にたいなんて言わないで。マルコのためにも、あたし達のためにも。」

「っうん、ごめん、ごめんね、」

「分かればいいの。はる、忘れないで」



“貴女は独りじゃない”
(ありがとう、ミカサ)
(礼ならマルコに言って)