黄瀬とワンオンワンをしていると視界の片隅にセーラー服を履いたマネージャーの姿が見えた。

最初こそ気に留めなかったがあろう事か彼女はいきなり立ち止まり、数秒地面を見つめたあと、しゃがみ込んだ。

その様子をバスケ部全員が見てた。そりゃ見るだろうよ。


「おいはる。何してんだ」

「おう大輝!見ろよこれ!」

「おう黄瀬!見ろよこの女!またバカな事してやがるぜ!」


どうやら彼女が見つめてたのはただの穴。


「穴に頭のネジでも落としたか。」

「ちょ、大輝離れて!これはブラックホール!吸い込まれちゃうよ!?」

「おい誰か救急車呼べ。精神科連れてってやれ」

「またはるさんがおかしな事をしてるんですか」

「黒子くん見て、ブラックホール」


そう言って穴を指差すはるを見てテツは可哀想な物を見るかのような目ではるを見た。


「はるさん、疲れてるんですか?」

「ど畜生!!なんでみんな分かってくれねえんだ!むっくんみてよこれ!ブラックホール!」

「わ〜すご〜い」

「殴るぞ!!」


苛立った様に頭を抱えてうがーっと嘆くはるに空き缶でも投げてやりたい。


「おい緑間!見ろよこのブラックホール!」

「すまんが日本語を話してくれないか」

「喧嘩売ってんのか」

「誰か通訳をお願いするのだよ」


どこまでもはるの話を聞かない緑間に対して苛立ったのかはるは右ストレートを食らわした。

いや、正しくは食らわそうとした。でも避けられた。


「黄瀬くんあたしもう泣きそう…」

「わ、わー、ブラックホールすごいっスね!」

「何言ってんの黄瀬くん大丈夫?救急車呼ぼうか?」

「誰かボール10個ぐらいくださいっス」

「当てる気だ!こいつあたしに当てる気だ!!助けて誰か!」


ぴーぴー騒ぐはるの声が聞こえたのか赤司が出てきた。


「やあはる。またバカな事をしている様だね。」

「ノンノンノン。違うよ、見て赤司くん。ブラックホール」

「…誰か救急車を」



赤司くんですら手がつかない
(末期だな。)
(ですね)