そろそろ怒ってええやろ。 朝起きて支度をしようとしたらはるの洋服が俺のクローゼットにまで進入してきていた。 「はる〜」 「はあい」 「ちょっとええか」 リビングで朝食を食べてるはるを呼んだら走って部屋まで来た。 「なに!」 「お前の服がワシのとこまで進入してきてるで」 「あー、ごめんごめん。わたしのところもう入らなくてさ〜」 言いながら服をまとめて取り上げた。それを自分のクローゼットにぎゅうぎゅう押し込んでる様を見るとどうやら本当に入らないらしい。 「ええ加減服買い溜めんのやめーや」 「んー」 「言うてもどうせ聞かんのやろ」 「うふふー」 未だにぎゅうぎゅう押し込めながら適当な返事を返してくるはるに呆れてはるの手からその服を取り上げた。 「しゃあないから半分譲ったるわ」 これじゃ埒が開かんし入らないんならしゃあないやろ。女の子なんやからそんくらいは楽しみたいやろうし。にしてもごっつ短いスカートやなあ。 「お前こんなん誰の為に着るんや」 ほんまにもう。俺だけでいいんとちゃうんか。疑ってるわけやないけど。 「翔一」 「なんや」 「そうじゃなくてー、翔一のためのお洒落だよ。好きな人の前ではいつまでも可愛く居たいもん」 …なんや、この子。もう俺のクローゼット全部譲ったるわ。 溢れかえったお洒落が誰の為か聞いたらもう怒れない (可愛すぎや) お題は 誰そ彼 様からお借りしました。 |