「なあ、おい、誰かちょっと聞いてくれ」
「なんだよジャンやけにおとなしいな」
「ライナー、聞いてくれ」


ライナー以外にもなんだなんだと人が集まってきた。そこで手元にある手紙を広げた。


「今朝、こんなもんを拾ったんだ」
「手紙…?」


エレンが首を傾げて問いかけてきたのに頷いて、宛名に目をやった。


「…サシャ宛、みたいだ」
「わたしですか?」
「ああ。お前宛だしお前が読めよ。」
「あ、はい」


封を開けて手紙を広げたサシャに全員が息を呑んだ。


「あたしはあなたの身近な人です。
さあ誰だか分かるかな?
ヒントはサシャのことを愛してやまないあたしですよ。
サシャならきっと分かってくれるでしょうからまあ本題に入りますね。

今までサシャには猛アピールをしてきました。そんなアピールにも気付かない天然で鈍感なサシャ。可愛いです。
色気より食気で、可愛くてスタイルもよくてお腹が空いた時に見せるうるうるとした麗しい瞳と満腹の時に見せる幸せそうな笑顔、その全てを守ってあげたいです。結婚しましょう、サシャ。」


サシャが手紙を読み終えて可愛らしく首を傾げた。まあ確かに可愛いよな。


「つーか差出人ってよ、」
「「「はるだろ」」」
「だよなあ」


差出人は見ずともみんながわかる。それぐらいはるはサシャを溺愛している。ひとつ言わせてもらえばはるは女だ。



「はるは宛先を間違えたのでしょうか?」


こいつも大概鈍感なのでなんとも言えねえが。



それはあかんて
(可愛いけどそれは)