「笠松先輩!笠松先輩!」


帝光中でマネージャーをやってたはるっちは海常に入学して海常バスケ部のマネージャーになった。


「今日は一緒に帰ってくれます?」
「む、むり」
「えーなんでですか意味わかんないです」


それからというものはるっちは笠松先輩にベッタリ。お気に入りらしい。

でも笠松先輩も笠松先輩で女子が苦手だから扱いに困ってるらしい。だからほら、今だって目が泳いでる。仕方ないなあ。


「はるっち、迷惑かけちゃダメっスよ」
「黄瀬くんには関係ないでしょ!」
「反抗期!?」
「黄瀬くんうざーい」
「ひどいっス!」


まあ相変わらずこのチャラけた生活は変わらないんスけどね。ちょっとだけ俺に反抗的になったけど。


「あ!」
「どうしたんスか?」
「アリの行列!」


笠松先輩と帰る〜とか駄々をコネてゴロゴロ転がるはるっちがいきなり止まったかと思えばそんな事言い出した。


「ちょっと黄瀬くん見て!アリ!アリ!!」
「アリで興奮する人初めて見たっス」
「だってアリ!アリが!」
「ああはいはい」


それを適当にあしらうとはるっちはぷんすか怒った。


「もういい!…笠松先輩見て!アリ!」
「お、おお」
「ンニャァァァァ笠松先輩のニーハイが目の前に!」
「だァからこれはレッグスリーブって言ってんだろうが!
「もういいじゃないですかニーハイで」
「おい、さ、触んなって、ちょ、黄瀬!」
「俺!?」


笠松先輩がそろそろ倒れるんじゃないかってぐらいに顔が真っ青だったのでさすがに離した。笠松先輩の女子恐怖症はちょっとやばいっスよね。

でもはるっちとは結構話せてる方なんスよね。まあ裏をかけば女に見られてないのかもしれないけど。


「んもー!笠松先輩そろそろ仲良くしようよー!」
「それよりはるちゃん、俺と仲良くしないか?」
「森山せんぱい!」
「相変わらず可愛いなあ、はるちゃんは」
「森山先輩はかっこいいです〜!」


この2人は…まあ…はたから見たら恋人みたい。


「森山パイセン今日も一緒に帰りしょうよ!笠松先輩にまた断られちゃったんですよう…」
「なに!?笠松お前はるちゃんのお誘いを断るなんて何て贅沢な野郎なんだ!」
「うるせえよさっさと帰れ」


まったくもう。ほんと騒がしいんスから。


「早川先輩と小堀先輩と中村先輩も誘おうね。」
「2人で帰りたいところだが…仕方無い」
「笠松先輩、皆一緒だったら一緒に帰ってくれます?」
「、ああ」
「やった!」
「…悪いな」
「ううん。誰にだって好き嫌いありますもんね。気にすることないです!ゆっくり慣れればいいんですよ!」


だけどはるっちは気遣い上手で優しくて人のために何かをする事が好きだから、だから、笠松先輩もはるっちなら大丈夫なのかもしれないっスね。


「黄瀬くんはーやーくー」
「はいはい」



あの頃と何も変わらない君は
(何もかも知っているみたい)