小説 | ナノ


▼ 沖田総悟



「沖田さん」

「ポッキーゲームしようなんざ口にすんなよ」

「ポッキーゲームしよう」


沖田さんの言葉を無視してそう言ったら沖田さんはあからさまに嫌な顔をした。ひどいよ。あたし一応あなたの彼女なのに。


「めんどい」

「頼みますよお〜」

「ぶん殴る」

「……」

「そもそもなんのメリットがあるんでィ」

「沖田さんとチューできるメリット」


そう言ったら沖田さんにデコピンされた。かなり痛い。手加減してってば。


「どうせお前が折るじゃないですかィ」

「ぐうの音も出ない」

「分かってるならやる意味ねぇ」

「…お願いー」


納豆のごとくねばねばしてやったら沖田さんがポッキーを足で踏み潰した。


「ああああああ!!これじゃポッキーゲームできないじゃん!何より勿体無い!」

「お前がしつこいのが悪いんでィ」

「ぐうの音ぐらいは出るよ!はるちゃん怒った!」

「キモい死ね」

「…泣きそう」

「そもそもポッキーゲームなんざしなくてもいいだろィ」

「年に一度の楽しみだよ!?」

「叫ぶな」

「わああああああああ!!」

「クソアマいっぺん死んでこい」


叫ぶなって言われたから叫んだら沖田さんが本気で怒った。


「ポッキーゲームはまた今度にするからチューしてよチュー」


そう言ったら沖田さんが軽く舌打ちしてからあたしの後頭部に手を添えてぐいっとあたしを引き寄せた。


「最初っからそう言えばいいんでィ」


ニヤリと笑った憎らしい沖田さんが愛しい。



うまく言いくるめられる
(だけどそれでいい)

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