小説 | ナノ


▼ 坂田銀時

今日はエイプリルフールですね。

一年に一回の特別嘘をついていい日!そんな楽しい事聞いちゃ黙ってらんない。

彼氏である銀ちゃんを騙そうかと思います。


『銀ちゃん、』

「あー?」

『大事な話しあるから、ちょっとジャンプ置いて聞いて?』

「ん?ああ」


よっこらしょ、と体を起こしテーブルにジャンプを置く銀ちゃんを目に入れ、深く深呼吸した。


『あのね、あたしもう疲れた』

「…?」

『銀ちゃんと居るの、疲れたの』

「は?」

『だから、別れよ』

「…本気か?」

『うん』

「…詳しく理由言え」


そう言われて言葉に詰まる。普段から銀ちゃんといて疲れた事なんか一度もなかった。だから例えようがない。

無言で乗り切るか?ん?どうするあたし!


「はる、何とか言えよ」

『と、とにかく別れよう!』

「無理」

『無理って、あの、銀ちゃん?』


俯いたままの銀時ちゃんが不思議で、顔を覗き込んでみた。

そしたら銀ちゃんがあたしの腕を引っ張って抱き締めた。


「なぁ、俺なんかしたか?」

『ししししてないよ!してない!』

「じゃあ何で」

『あの、今日はエイプリルフール、だから…』

「……」

『ほんとは銀ちゃん大好きだよ』


そう言うと銀ちゃんがあたしの体を離した。


「そういう嘘は言っちゃいけません」

『ごめんなさい』

「あぁ、もう!可愛いなぁ、ほんと」


そう言って再び抱き締めてきた銀ちゃんの背中に手をまわした。


『銀ちゃん大好きだよ』

「それは嘘じゃねえよな?」

『ち、ちがうよ!』

「よかった」



そして甘い口付けを
(エイプリルフールもたまにはいいな)

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