▼ 沖田総悟
「おかえりなさいませ浮気者さん」
「犯されてぇか」
いやだって明らかに刺されてますやん。女という虫に首刺されてますやん。
可愛らしい口紅のあとまでついてますよ、そのスカーフ。堂々と浮気なんてやりますねぇ。でもあたしだってそこまでされちゃ我慢できませんよ。
「黙らっしゃァァァァい!浮気者!あなたなんてケツに冒険号の旗刺されて流されちまいなさい!」
「おめーの穴にぶっさすぞ」
「なんで標準語なんだよこえーんだよ!ごめんなさいもう!浮気者!」
そこまで言うと隊長の眉がピクリと動いた。アレ、これ死亡フラグ?
「さっきから浮気者ってなんなんでィ」
「キスマークついてます事よ!」
「…ああ。仕事上そういう場所にも行かなきゃならないんでィ」
「嘘おっしゃい!隊長打たれ弱いから心打たれたんでしょ!それともあれか、ち○こ挟まれたか!おっぱい小ちゃくてごめんな!挟めなくてごめんなさい!いいよ、別れようか!ほら行って来いちちくりあってこい!」
思ってた事が一気に爆発してペラペラ喋るあたしを隊長は、アレ、怒ってる?いやなんで?あたしが怒るとこだよね?
ちちくりあってこい、と言い切って息を切らしてると視界が反転して頭を打った。あれ、押し倒されてる?
「いっっってぇぇ!痛いです隊長の粗チン!」
「黙って聞いてりゃ浮気者だ別れるだ、ぶち犯されてぇか」
隊長はあたしに跨るもんだから顔がものすごく近い。
「ちょちょちょ、隊長!タンマ!」
「うるせぇ黙りやがれ」
「ちょ、んっ…たいちょっ…ふぅ…ん…やっ……」
いつもより荒っぽく深く濃厚なキスをする隊長に涙が出て来た。あたし以外の女にもこんなことしたのかな。
「…何泣いてんでィ」
「だってっ…たいちょが…っ」
「浮気してねぇっつってんだろ」
「…っうそ、だって…」
「ほんとでさァ。これは無理矢理でィ。しかもされたのはオカマ」
「…へ?」
「オカマ」
「……ご、ごめん」
やばいあたしの勘違いじゃん。あたし完璧にウザい女じゃん。やだどうしよう。
「はる、こっち向きなせェ」
言われて、素直に隊長と目を合わせる。
「覚えとけ。俺ァお前しか眼中にねェ。」
「た、たいちょ〜やっぱ好きですっ〜」
跨がれたまま隊長の首に手を回して抱き付いた。
そしたら隊長が耳元で囁いた。
「一発イきやすかィ?」
(あたしのときめき返せ!)
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