『神楽ちゃーんご飯おかわりいる?』

「いる!」

『了解。新八くんは?』

「僕はいいです」

『銀ちゃんは?』

「いい」


今日は朝早めに来たらまだ朝ご飯も食べていなかったらしい3人にご飯を作ってあげた。

軽ーくだけどね。


「今日も仕事無しかぁー」

「銀さん、まだ分かりませんよ。」

「いーや、俺には分かる。今日は来ない」

『来ない来ない言ったら来ないよ。』

「うるせぇなぁ」


そんな話をしてた矢先、インターホンが鳴った。


「依頼人ですかね?僕出ます」

「早く行けヨ」

「うるさいなぁ」


グチグチ言いながらも玄関に足を進める新八くん。


「はいはーい」

「眼鏡くんか。銀時は居るか?」

「居ますよ。銀さーん」

「あー?」


気怠そうに話をする三人。お客さん、誰だろ。随分仲が良いんだなぁ。

そう思いながら神楽ちゃんのご飯を茶碗に盛っていたら、お客さんが入って来たらしい。


「銀時、今日こそははいと言って貰うぞ!やはり貴様は俺と共に……」

「あ?ヅラ、何固まってんだよ。おーい」


"ヅラ"銀ちゃんが口にしたその言葉にあたしの手は止まった。もしかしたら他のヅラさんかもしれない。

でも、もしかしたら、もしかすると、


『…こ、たろ』


そこには、酷く驚いた様な顔をした小太郎が居た。

あたしが追い続けてきた人が、居た。


「お前…何故此処に…」


そんな小太郎の疑問も無視して小太郎に駆け寄った。小太郎が居る事が信じられなくて、確かめるように小太郎に触れたら、確かにそこには小太郎がいた。

あの頃と何も変わらない。


「はる」

『会いたかった』

「……説明しろ。何故お前がここに居る」

『…分かった。一回此処から出よ』

「あぁ」


納得のいかないような、驚いた様な、そんな複雑な表情で小太郎は頷いた。


『じゃあ、今日は帰るね。』

「あ、はい」

「ヅラ、お前はるとどういう関係アルか?」

「関係…そうだな、友達とでも言っておこう」

「友達?」

「そうだ。それでは失礼したな」


友達、その言葉に胸が弾む。まだ友達って思ってくれてた、覚えてくれてた。

小太郎はあたしなんかと違って友達なんかいっぱい居る。仲間と言った方がいいのかな?

だからあたしも小太郎の友達の中の一人。別に対した関係でも存在でもないんだ。


『また明日ね』と、万事屋に挨拶してから、近くの茶屋に寄った。


『…簡潔に話すと、家から抜け出した』

「抜け出してどうするつもりだ」

『どうするつもりもないよ。ただ普通を知りたかっただけ。小太郎に逢えたからいつ戻っても悔いはない』

「…そうか」

『うん。』

「俺には関係の無いことだ。余計な口出しはせん」

『ありがとう』

「だが、何かあれば直ぐに言え」

『分かった』


正直、戻れとか言われると思ってたから、少し驚いた。

でも小太郎はこういう人だ。余計な手出しはしない。でも何かあれば必ず助けてくれる。


「俺は攘夷活動がある故、失礼する。」

『うん、またね』

「あぁ」


小さく笑って答えてくれた小太郎に笑い返した。



やっと逢えた大好きな人。



(またね、って言ったから)
(きっとまた逢える)



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