今向かいのソファーでぐーたら寝てやがる阿呆があたしの彼氏である銀ちゃん。

銀ちゃんはなにもかも投げやりであたしに興味がないのかと思っちゃうぐらい。


それでも銀ちゃん好きで居られるあたしってすごいよね。


『あーほー』

「誰が阿呆だぁ?誰が。」

『銀ちゃん』

「あぁん?オイコラおめぇあんま調子乗ってっと外に放り出すぞコラ」

『どこぞのチンピラだよ。』

「なーにー?もー。俺も忙しいんだからしょっちゅう相手出来ないのー。」

『…せっかくお洋服もフェイスも可愛くしてきたのにー』

「あーはいはいそうだね、かわいいねいいね


なんでこの人はいつもいつもこんな適当なのかな。あたしこの人に愛されてる自信無いんですけどー。

だからって別れる気もさらさら無いけどね。銀ちゃんに捨てられるまでしつこく付き纏ってやる。

でも今のはかなりむかついた。


『もういいもーん。桂さんにでも会ってくるかな』

「とっとと行けや餓鬼」

『彼女に言う言葉じゃなーい。こんなひっどい彼氏見たことないわー』

「そのひっどい彼氏を好きになったのはどこのどいつだ」

『黙れ天パ。何が天然パーマに悪い奴はいないだ。ここに居るじゃないの。』

「天パって言ったな?お前今天パって言ったな?」


銀ちゃんの言葉も完全無視して玄関に向かって足を進めた。


「おーいお嬢さーん?何処行くんですかー」

『言ったでしょ、桂さんのとこ!桂さんは銀ちゃんと違って優しいもん。この前だって可愛いって頭撫でてくるたし、チンピラから守ってくれたし、』

「誰が行かせるっつったよ。はいストーップ」

『いやさっき自分でとっとと行け言ったからね』


認知症かこいつ。甘いもん取りすぎて頭までいかれたんじゃないの?あほ?あほなの?

さっき自分で言った事も覚えてない奴が何を偉そうに言ってんだか。


「ていうかチンピラから守ったって何、絡まれたのかよ」

『チンピラっていうか糞天人だったよ』

「何ソレ。ったくだから散々言ったろ?知らないオジサンには着いていくなって」

『いや着いて行ってないからね』


日本語まで通じないのかしら。


『とりあえず、どいてよ。あたし桂さんとらぶらぶしてくんの。』

「だめ」

『…じゃあ銀ちゃんが相手してよー』

「はいはい分かったから靴脱いで上がりなさい。床汚れるから。」

『いやっふー!言ったからな!銀ちゃんあたしとらぶらぶしてくれるんでしょ?ぎゅーしたりちゅーしたりしてくれるんでしょ?』

「あーもーうるせーなー」



そんなんいくらでもやってやるよ。


そう言ってぎゅってしてくれた銀ちゃん。
これだから大好きなんだよバカヤロー!




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