「あ、土方きゅん」
「気持ち悪ィ」
「うひひひ土方くんがここ来るって珍しいね〜何、あたしに会いに来てくれたの?」


写真部で写真の整理をしてたら恋人である土方くんが入って来た。土方くんいつも先に帰っちゃうのに。珍しい。


「お前いつも何時まで居んだ?」
「ん〜最終下校時間までは居る」
「は!?おま、そんな時間から歩いて帰ってんのかよ」
「そだよー」
「…言えよ、送るから」
「ひ、土方くんがデレた!?」


うひゃー土方くんマジ紳士!惚れ直したかっこよすぎ。


「あ、じゃあもう帰ろうかな」
「おう」
「あー良かった良かった。あたしいつも暗闇一人って怖かったんだよね」
「だから言えばよかっただろうが」
「いやあ悪いし」


そう言ったら土方くんは付き合ってんだから別に気にすんなよ、って言った。顔真っ赤可愛い。


「土方くん照れてる」
「うるせえ」
「かーわーいーいー」


可愛い可愛い言ってたら土方くんが顔を逸らした。あれ、怒った?いや土方くんは大人だからこれしきの事流せる筈だしな〜。でも男だしやっぱ可愛いはダメかな。とりあえず謝らな。


「土方くんごめん、ね、ヒョッ」
「お前俺が男って忘れてねえか?」


謝ろうと土方くんの顔を覗き込んだら腕を引っ張られて腰に手を回された。タバコと石鹸の、土方くんの、いい匂いがした。


「ひ、ひじかたくん?」


顔を少しだけ上に上げたら目一杯に土方くんの顔があった。それから土方くんにキスされてる事に気付いたのはすぐで、涙がでるぐらい恥ずかしくなった。長くて、ねっとりとした口付けが何度も角度を変えながら続いて息苦しくなってきた時に、土方くんが離れてくれた。


「っ、ばか、」
「んな顔で言われたってな」


かっこいいんだよちくしょう。




写真部の暗室で
(土方くんとキス)



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