小説 | ナノ

『あーさむいよだんちょー』

「お前のせいでこっちは暑いヨ」

『さむいー』


あまりの寒さに団長のマントの中に潜り込んだ。


『早く船戻ろう』

「あと少し待って」

『何で?』

「阿伏兎が俺の尻拭いに行ってる」

『え゙ー』


団長のマントの中に潜ってほかほかしてたら団長が動いてあたしはマントの中から出てしまった。

その瞬間冷たい風が吹いて余計に寒く感じた。


『ぎゃー』

「もっと女らしい声出せヨ」

『まって団長ー』


そんな団長を追って再びマントの中に入ったら団長が軽くため息を吐いた。


「動きにくいヨ」

『…寒いんだもん』

「さっきからそればっか」

『寒いんだもん』

「はいはい」


仕方ない、と言わんばかりに呆れた様な顔をした団長。


『団長、あたしもマント欲しい』

「だめ」

『なんで?』

「寒いならまたここに入ればいいだろ?」


そう言って目を細め笑った団長に抱き着いてやった。



世界で一番大好きです!



(あ、やっときた阿伏兎)
(おいおい頼むからこんなところでいちゃつくんじゃねーよ)
(寒いんだもん)


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