小説 | ナノ

『ねー、かむいー』

「何?」

『まだ仕事終わらない?』

「あと少しだよ」


さっきから机に向かって何やら書いてる様子の神威。神威は団長だから忙しいんだよね。

因みにあたしと神威との関係は恋人であり、今あたしが此処に居る理由はというと、怖くて寝れなかったから神威の部屋に来たというわけだ。


『神威、寝むたい』

「寝たら?」

『やだよー。神威と寝たいもん』


そう言うと神威はやれやれ、と言った顔でため息をついて少し待ってて、と言って再び仕事を始めた。


『…今日ねー、地球で銀ちゃんに会ったの。久しぶりで長話になっちゃったけどね、銀ちゃん嫌な顔ひとつしないで付き合ってくれたの。あ!それとね、二人でパフェも食べたよ!地球の食べ物は美味しいよねー』


一人で淡々と話していると、神威が少しだけこちらに顔を見せてくれた。

話聞いてくれてるんだ、と思い再び話しはじめたあたし。


『その後はね、銀ちゃんと、』


お散歩したんだよ、と言いかけた時に神威が立ち上がり近付いてきた。


「そのお侍さんと俺、どっちが好き?」

『え、二人とも大好きだよ。』

「そうじゃなくて、どっちの方が好き?」

『神威』


即答で答えると神威は、ニコニコ笑ってあたしが寝てる傍に腰掛けた。

その神威を見上げると神威はあたしの頭を撫でた。その心地好さに頬が緩む。


「水瀬可愛い。」


そう言って神威は布団に入って来た。そのまま神威に抱き着くと神威はまた頭を撫でてくれた。


「寝よっか。」

『うん!』


笑いかけると神威が自分の唇をあたしのそれに優しく触れた。



たまにはおやすみのキッスもいいね。



(おやすみ!)
(うん、おやすみ)


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テーマ「人外ファンタジー」
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