「団長、ごめんなさい、ごめん、なさ、」
「はる、大丈夫だから。このくらいで泣かないの」
「だって、団長」
「夜兎なんだからすぐ治るよ」
「っでも!痛いのには、変わりないです、」
今日の任務でしくったあたしを庇った団長が腕に大きな傷を負った。
団長がいつものことだって言ってくれるけどあたしのせいなんだから気にならない訳がない。
「ほら泣かない泣かない」
「っふ、う…っ」
「もー、はる、」
「っごめ、な、」
嗚咽でとぎれとぎれながら、団長に謝ろうとしたら、団長に手で口を塞がれた。
「ん、」
「謝らないでいいから。はるは悪くないよ、何も」
「…」
口を塞がれてるから黙るしかないあたしを見て団長は満足そうに笑って口を開いた。
「大丈夫」
そう言って団長は口から手を離して今度は自身の唇であたしの唇を塞いだ。
「だん、ちょ、」
「帰ろっか」
「…はい」
大丈夫、大丈夫
(だから泣かないで)