■ 愛故の暴走
『沖田せんぱあああい!』
「げ」
『明ら様に嫌な顔しないで下さいよー』
あれから数ヶ月、あたしは沖田さんにフラれても追い掛ける毎日です。いつかは好きになってくれる!きっと!
『んなんどうでもよくて』
「あ、どうでもいいんだ。」
『すきです!大好きです!愛してます!』
「はいはい。分かったから教室戻ろうねー」
『先輩返事くださいよー!』
「じゃあ無理。」
『…くそ!諦めませんからね!』
「諦めてよ」
『また昼休み来ますね!』
「…はぁ」
という感じが毎日続いておりますねん。沖田先輩が折れてくれない。
最初はまぁ、辛かったよ、かなり。でもね、根っからのポジティブなあたしは諦めませんでした。一回フラれても次があるって考えでしたから。まぁその'次'もフラれたわけどす。え?諦める気?ありません。
あたしが沖田先輩を諦めるときは沖田先輩に彼女が出来た時かしら。うふふ
「あ、はるちゃん!」
『千鶴ちゃんじゃないか。それに平ちゃん。朝から可愛いな二人とも。』
「男に可愛いは褒め言葉じゃねぇよ」
『じゃあ女の子になりなよ』
「無理言うなよ」
平ちゃんは千鶴ちゃんの幼なじみで小さな男の子。ほんとに可愛いんだから。少し生意気だけどね。
平ちゃんと沖田先輩は仲がよろしいらしい。
「お前また総司のとこ行ってたのかよ」
『王子様に会ってきた。』
「よく飽きないよなー。」
『死ぬまで諦めません』
「…」
あれ、なんか引かれてる?あたし引かれてる?千鶴ちゃんまで目が冷たい。ひでえええええ!
(引かないでえぇ!)
(はる、お前ストーカーだぞそれ)
(はるちゃん怖い)
(新手のイジメですか?)
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