■ 沖田先輩の暴走彼女

『総司先輩!』

「はるちゃん、おはよ。」

『おはようございます!』


あたし達は付き合い始めてそこまで変わった事はない。ただ少し総司先輩が優しくなって、あたしが総司先輩って呼ぶようになったこと。


ほんの数日前までは実感なんて沸かなかったしドッキリなんじゃないかとずっと怪しんだ。


でも今となってはラブラブですごめんなさい。エヘ


『土方先生おっはー』

「ああ」


土方先生とも何も変わりませんよ。何も。


「僕の彼女にあんまり触らないでくれますかー?キス魔」

「うるせーよ。触ってねーだろうが。総司、お前は早く教室戻りやがれ!」

「僕が居たら邪魔な理由でもあるんですか?」

「総司!」

「はいはい帰りますよー。じゃ、またねはるちゃん」

『ほーい!』



ってほぼ、こんな毎日です。相変わらず土方先生と総司先輩は犬猿の仲。でも土方先生があたしにキスをして、それがファーストキスだったと知って以来前以上に仲が悪くなった。


まぁなんだかんだ二人とも嫌いあってる訳ではなくて、この関係が楽しいんだと思う。



自分の席に座りながらボーッとしてたらいつの間にか時間が過ぎてた。


放課後はあたしと総司先輩のらぶらぶたいむでござる。


『あ、総司先輩!』

「ごめんね、遅れて。生徒会おつかれ。」

『総司先輩も剣道おつかれ様!』

「うん。じゃ、帰ろっか。」

『そですね』



総司先輩が家に送ってくれるようになったのには理由があって、その理由というものがこの前の痴漢事件。電車は危ないから、って。


以外に過保護みたいなのだよ。土方先生よりかは全然マシだけど。


案の定、電車はぎゅうぎゅうで痴漢らしき人がホームで捕まってるのが見えた。こういうとき総司先輩がいて良かったって改めて思う。


『…じゃあ、また明日!』

「うん」

『送ってくれてありがと!』

「いーよ。はるちゃんが痴漢に遭うよりは全然マシ」

『うふふうふふ』

「…きもいよ」

『彼女にキモいって言わないでくださーい』


数分軽口を叩いてサヨナラしようとしたときに、総司先輩があたしを引き寄せて、唇に自分の唇を押し付けた。


『っ!総司先輩…!』

「なに?」

『ひ、人が見てます!』

「いいじゃない、」



"彼女なんだから"




(で、でも人が!)
(気にしない)
(あたしが気にするわ!)
(ふふ、可愛い)

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