■ 皆でお泊り会3
…千鶴ちゃんが壊れた。水着に着替えるために更衣室に来たんだけど千鶴ちゃんがあたしの胸を見るなりため息をついた。
千鶴ちゃんは千鶴ちゃんで千鶴ちゃんなりに千鶴ちゃんの悩みがあるんだろうけど、いや、この子揉んでくるんすよ。(千鶴ちゃん言いすぎた)
確かに胸はあたしの方が1つだけ大きい。千鶴ちゃんはBぐらいだと思う。でもあたしもCでそこまででかいわけでもない。
それは置いといて憂鬱な千鶴ちゃんを連れて皆のとこに移動した。そして平ちゃんと一先輩が顔を真っ赤にした。初(うぶ)だな。
『さあ泳ぐぞ!』
「おい転ぶぞ」
『大丈夫だよ土方せんせ』
「…もう知らねーよ」
『行こうぜ千鶴たん』
「うん!」
にしても結構人多いな。なるべく人は避けれよって皆に言われたからあたし達二人はなるべく人の少ないところで遊んでたんだけど、人が多過ぎてそうもいかなくなったのでもう気にしない事にした。
考えてみれば人いっぱいの法が安全じゃね?溺れたら助けて貰えるし、何かと助かると思う。
そう思ってたんだけどさっきから恐怖心が沸いてきた。隣で遊んでるお兄さん方がこちらをチラチラニヤニヤと見てくる。決して不細工な連中な訳ではないんだけど怖い。
段々と近付いてきた事が怖くて海から上がる事にした。んだけど千鶴ちゃんが捕まってしまった。許せないわ!
『ち、千鶴ちゃんを離しなさい!』
「うるせぇよ。じゃあお前が変わりになるか?」
『あ、ああ!なってやろうじゃないか!千鶴ちゃんを離しやがれ!』
「へー、意気の良い女じゃねぇか。連れてけ」
男達がニヤニヤしながらあたしの腕を掴んで千鶴ちゃんを解放した。約束守るとかあたりは律儀だと思いますよ、はい。
しかしそこまで怖くないのは千鶴ちゃんが誰かを呼びに走って行ったからだろう。あたしはここから動かない様に時間稼ぎしときゃ来てくれるだろう、と思ったんだけど、時間稼ぎする暇もなく、連れさらわれた。
今時のナンパというものはもはや犯罪ですね。
男の手があたしの身体に伸びた時に聞き慣れた声がした。やばいこれ少女漫画ちっく!とか考えてたなんてばれたら怒られそうなので隠しておいた。
『沖田先輩!に、皆!』
「ほんとに危なっかしいよね、君。」
「…人目避けろって行っただろうが」
土方先生に鬼の血相で叱られた。
『…ごめんなさい』
「別に謝る事じゃねぇよ。お前が無事で良かったよ。」
『左之せんせー…!』
「で、離してくれるか?その子俺等のツレだからよ」
新八先生がいつも全く見せない怒った表情でいうもんだから男達も怯えて逃げてった。弱っちい男だな。
さっきまでの恐怖で腰を抜かした何て言ったら馬鹿にされる。でも立てない…!
「、どうしたの?」
『た、立てません』
「……腰抜かしたの?」
『ぁい』
「…はるちゃん、君ってほんとに世話の焼ける子だね。」
『…うぅー…』
「前から言ってるよね?女の子なんだから無理しちゃだめって。千鶴ちゃん助ける前に自分の身も心配しなよ」
『だって…』
「言い訳は聞かない。後で土方さんにでも説教受けるだろうね」
そう言い終わる前に沖田先輩はあたしを抱き上げていた。流石のあたしもこればっかりは恥ずかしいです。
『沖田先輩ぃぃぃ?!恥ずかしいです!おろしてください!』
「そんなに喜ばなくたっていいじゃない。」
『喜んでませんからぁぁぁ!恥ずかしい!おろせぇぇぇぇ!』
「おろして歩けるの?」
『…お願いします。』
「ふふ」
「総司、お前いい加減にしろよな!」
「何、平助羨ましいの?」
「んなわけあるかよ!」
「はるちゃん、ごめんね!」
『千鶴ちゃん泣かないでよー!ほら、こうして助かってるんだから大丈夫!』
そういうと千鶴ちゃんは泣き止んでくれはしたけどずっと謝り続けてる。平ちゃんが落ち着かせてくれたからなんとか落ち着いた。
「今日ばっかりは俺も土方さんに同感だな。俺も心配したんだからな。」
『ありがとう、新八先生』
「一くんが男達捕まえに行ったからもう心配ないよ。」
『え!一先輩が?!』
「うん。一くんもなんだかんだはるちゃんには甘いからさ。許せないんじゃない?あいつらが」
『なんか、迷惑かけてごめんね』
あたし昨日から迷惑かけてばっかな気がする。せっかく遊びに来たのに。
「気にすることねーよ。よし!皆で遊ぼうぜ!そもそも女だけで遊ばせたのが間違いだったんだよ」
「だな。じゃ、行くか。」
その後は皆で仲良く遊びました。沖田先輩に沈まされたのはまじで死ぬと思ったな。
一時はどうなることかと思ったけど無事助かって何事もなかったかのように楽しく遊べたので後悔はありません。
この日の夜はもっと恐ろしい事を体験することになりました。
(沖田先輩!死ぬ!死ぬ!)
(あはははは)
(一せんぱぁぁぁい!)
(総司、今何か聞こえなかったか?)
(気のせいじゃない?)
(こ、ここ!)
(!?総司!離せ!)
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