じーっ。
さっきからずっと俺を見る、視線。


「………なんだよ」
「神代を見てる!」
「そんなもん見りゃわかる」


えーじゃあ何?と言って首を傾げる槌谷。

何、はこっちのセリフだ。この様子だと、用事があるわけではないらしい。


「俺なんか見てて楽しいか?」
「うん」


即答かよ。


「俺ね、神代をいっぱい知りたいの」
「だったら話すりゃいいだろ」
「話しないで見える神代も知りたいのー。いっつん、明日に向かってバックステップ!」
「するな」


言葉的には前向きなんだか後ろ向きなんだかよくわからないが、槌谷は俺を知りたいらしい。


「つうか、なんで」
「んー。だって、高階とか叶先生は、俺の知らない神代を知ってるんだもん」
「はあ…」


そう言い終わると、すぐまた俺をじーっと見てくる。

知りたい、とにこにこ笑いながら言った槌谷の好きにさせることにした。




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