「今日からハスタ様にお仕え致します、スパーダと申します」
「ふぅん。
ま、よろしくね緑くん」
僕の主は変だった。
..ないすとぅーみーちゅー!
主は、扱い難いと聞いていた。ここにくる前に。
毎度毎度、世話係を困らせては愛想を尽かされる。
そんなだからいつも世話係が替わり、定着しないから給料も高いんだと。
お前でもそれなりに稼げると、親に送られてきたのだ。
主は扱い難い。
「…あの。」
「なーにー」
「離してください。
作業が出来ません…」
何故か主に後ろから抱きつかれ、ベッドメイキングの邪魔をされている。
結構ぎゅっとくっついているため、離してもらわないと離れない。
「作業?何ソレ楽しいの?」
「仕事です」
「緑は仕事熱心じゃな。
まだミニマムなんだから遊ぼうぜ、ボーイ!」
そんなことを元気よく言われても…。
「あの、ハスタ様…
仕事が終わらな、」
「俺が遊んであげよう!!」
「……!?」
言葉を遮られ、ひょいと軽く抱き抱えられる。
何故か姫抱き。
「あ、あの…っ」
「シーツなんか今日寝たらまたおじゃんだぷー
部屋キレイ、はい終わり!」
細かい部分はやらなくていいと言うように、終了を強調される。
それじゃ僕の仕事がない。
困って主を見れば、年に合わない無邪気な笑顔を返される。
(あぁ)
この人はホントに遊びたいだけなんだな、と思った。
(遊ぼ、緑)
(スパーダです)
(スパちゃんね。
さあ、遊ぼう!)
再録 2011.01.29