「マグナ、起きろ」
「んん、んー…」
「…こら、起きないか」
「んんー…」
今日も今日とて、揺さぶっても頭を小突いても起きない弟弟子。
布団を引き剥がそうにも、しっかりと掴んでいて離れない。
こいつの睡眠欲はどこからくるやら不思議だが、多分考えても一生解決しないだろう。
「マグナ。いい加減に起きろ」
「んんー…」
まだ起きない。どれだけ寝たら足りるんだろうか。
起こすのに苦労はするが、僕はめげずに続ける。
「マグナ」
「んー…」
起きたら起きたで、いつもの口調で「おはよう」と言う。
それが、聞きたいから。
「朝だ。起きろ」
「ん…ねす…?」
「ようやく起きたか?」
ごしごし、と目元を拭うマグナ。
あくび。
寝ぼけたままの目元。
「おはよう、ネス」
朝一番の、笑顔。
***
朝一番を独り占め。