この町にひとつしかないレンタルショップ。そのためか、時間いっぱいまで人の足は耐えることは無い。
そう、大半が借りるという名目でいい男達の店員を見に来ているなどという理由ではないのだ(ぇ)
「はい、これらは一週間レンタルです。そしてこちらのシングルは3日です。」
そういって次々とレジを卆なくクリアしていくのは新人店員のジェイ。その横で客と談笑しながらレジをしているのはジェイの先輩にあたるモーゼス・シャンドル。
「先輩、後ろつっかえてるみたいですから早めにしたほうがいいですよ。」
「お、そうか。すまんなー。そんじゃまたなー。」
「…まったく。あんな人がよくクビにならないでいたもんだよ…」
そう小さく愚痴りながらも手は休めない。
すると、なにやら柄の悪そうな男達がやってくる。
そしてあろうことか店の商品を破壊し始めたのだ。
「な、何してるんですか!?」
「うるせぇっ!!おいモーゼス…てめぇ、少年院送りで出てきた途端、ゾク抜けるたぁいい度胸してんなァ…」
「・・・・ワイの事が目的なら店の事は関係あらへんやろ!!」
「(こんな怒った顔の先輩、初めて見た…)」
「へ!!話によればてめぇ、この店結構気に入ってるじゃねーか…俺らに黙ってゾク抜けた罰だ!!壊してやるよ!!」
「やめい!!」
モーゼスがそう言っても男らはやめようともしない。そればかりか、さらに悪化させる。モーゼスが動こうとした瞬間、傍にいたジェイを人質にとり、モーゼスを動けなくする。
「ぐ…ッ!!離せ!!」
「そいつは関係ない!離しや!!」
「動くと、こいつがどうなっても知らないぜ、モーゼス…」
「・・・ちっ!!」
そこに背後からの回し蹴りが男の後頭部にクリーンヒット。そのまま地に倒れる。ジェイは間一髪で男の下敷きにならずにすんだ。
「大丈夫か?」
「あ・・店長!?」
「なんや、ワルター…発注は終わったんか?」
「あぁ・・・それにしてもモーゼス…これは・・・」
「ワイの責任です。ワイのゾク離れを知った昔の仲間が…」
「そうですよ!!先輩は悪くありません!!」
「ジェイ…お前、ただの生意気なガキかと思ったが見所あるやんか。」
「・・・正論を言ったまでです。」
「まぁ、ジェイの言うとおりだ。知り合いの刑事に連絡しておく。…モーゼス、ジェイ。」
「「は、はい?」」
「後片付け、やっておけよ?」
そういって笑顔を貼り付け、店長ワルター・デルクェスは白くなる店員二人を残して片思い歴○○年の相手の幼馴染の新人刑事に連絡をするべく、携帯を開いた…
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