「はぁ…またか…」
市役所の市長室でまたもやよく見る苦情や始末書に項垂れる市長ダオス。
胃がきりきりと痛む。いっそこのまま胃潰瘍として入院してしまおうか。
そんな事を考えながらも板ばさみ状態のダオスは仕方なく苦情書に目を通す。
そこにバンッ!!と礼儀も無しに入ってくるのは議員の一人ロエン・ラージモア。息を切らしている辺り走り回っていたのであろう。
「し、市長…ッ!!レ、レイシスを見かけませんでしたか!?」
「いいや…どうせこの時間帯はスーパーのレジでもやっているのだろう。探したところで無理だ。」
「うう…(涙)なんで私がレイシスの仕事をやらねばならないのだ…ッ!!あいつ、やるときはやるくせにいつも何かと…ッ!!」
ついに愚痴をこぼし始めたロエン。そこに寝不足気味の議員、ミルハウストがやってくる。抱えているのは全てレイス行きの書類。
「なんだ、ミル。…レイシスなら…」
「またいないのか…ッ!!あの議会長…自分の立場弁えてるのかーーー!!」
「ミルハウスト…ついに度重なる心労で壊れたか。(涙)ロエン、次は貴様か。」
「ハハハハハ、市長。私はあぁなりませんよ…たぶん。」
「たぶんじゃ駄目だろ、たぶんでは。」
「「「レイナードか!?」」」
「・・・ラージモア議員にミルハウスト議員ですか…やっぱりフォールマウスト議会長は脱獄ならぬ脱所したんですね…」
市役所生活安全課課長という長ったらしい肩書きを持つウィルだが、その実は警察と役所の板ばさみである。
「なんだ、ウィル。また警察と役所の揉め事か?」
「はい…(涙)というか多くはカーティス監察医宛なんですけど…。あの人、かなり議員に敵作ってますから(汗)」
「・・・・なんで私達が全ての後始末に奮闘しているんだろうな…」
ダオスの呟きはそこにいる全員の心境でもあった…。
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