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きっと、あなたはわかってくれると思ってた。


「おかえり」


離れたのは、私から。


「何で……」


3年間のフランス留学が決まったのは、高校を卒業する半年前。
まだ若かった私たち。
3年も待っていてなんて、私はあなたに言えなかった。


「ずっと、待ってた」


眉を下げて切なげに笑うあなたを見ると、私の選択は間違っていたのかなって、不安になる。


「何で……」


「好きだからに、決まってんじゃん」


大学生になっても、あなたは変わらない。
優しいところ、全然変わってない。


「馬鹿じゃないの……っ?」


「俺は、お前が好きなの」


こうやって、ふわっと抱き締めてくれるところ。


「ここ、空港だよ?」


「んなの関係ない」


私の肩に頭を乗せてため息を吐く。
心地よい重みと懐かしさに思わず目を瞑り、思い出に浸っていると急にあなたは腕を引っ張って私を空港の端まで連れていく。
少し大きめのスーツケースに苦労しながらもついていくと今度はぎゅっと抱き締められた。


「おかえり」


「っ……ただいま!」


本当は、
あなたに逢えて嬉しかった。



─end─

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蝶々くらべ様1月分提出作品です。良かったら感想お待ちしています。(2011.1.6)

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