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『ねえねえ至さん』

「なに。今クソいいとこなんだけど」

『同じゲームやってんだからそりゃ私もだよ』

「あっお前馬鹿ボス行く前に回復しろっつったろ!」

『至さんいるしよくない?』

「俺を過信しすぎ」

『ねえねえそれよりさ、質問があるんだけど』

「なに?」

『世界の終わりに何がしたい?』

「は?」

『昨日むっくんと一成に聞かれたから、至さんはどうかなーと思いまして』

「お前はなんて答えたの?」

『それはひみつ。至さんが教えてくれたら教えるかも』

「なんだそれ」

『早く早く!ボス倒す前に答えてね』

「……じゃあこれ」

『え?なに?』

「…いま。この時。このまま世界が終わってもいい」

『ゲームかよ……』

「違うけど」

『は?』

「お前」

『え?は?』

「お前が隣にいたら別に、いつ世界が終わってもいいなと思って」

『……は…?』

「できればその時ゲームしてたら最高」

『…いやちょっとまって…なに…?』

「不満なわけ?」

『ちが、あの』

「お、ボスやりー!」

『わ、ほんとだ!至さんすごい!』

「うん、それで?」

『え?』

「お前は昨日、なんて答えたの?」

『……あの…笑わないで聞いて欲しいんだけど』

「うん?」


至さんとゲームがしたいって、言ったの。

耳元で囁くようにそう言ってから顔をソファの背に埋めると、数秒経ってから至さんの笑い声が聞こえた。
笑わないでって言ったでしょ!と真っ赤であろう顔を上げてから抱きしめられていることに気が付くまでには、比較的時間がかかったように思う。