「むかしみたいに笑い合いたい」

 笑えといわれて笑えるほど単純じゃない
 あんたの幸せを願えるほど大人じゃない
 あんたの失態を喜べるほどこどもじゃない
 あんたみたいに期待されても答えられるとは限らない
 あんたのピンチに駆けつけられるほど世界は単純にできてない
 あんたの涙につられるほど純情な質じゃない

いやになるけど、おれおまえのこと嫌いになれなかった」

 涙に暮れる夕焼け空
 目標は高く。浅く広く伸ばした
 それでも最後はしょうがないねって、色んなものを呑み込んで、あんたは何てことないように振る舞うんだろう
 それでも最後はしょうがねーなって、笑いながら渦巻く感情を呑み込むしかないんだろう

「すててくれたらよかったのに」

諦観は時として許しを与えうるか

  


 いつの日か諦めてしまった俺に奇跡なんぞ起こりようもないってのに、あんたはこつこつ大事に培ってきた外面をあっさり捨て去って、俺を底なし沼からすくい上げてくれた。
『君がいなくちゃ息も出来ない』
 ……なんだ。こんな俺にも、必要としてくれる人がいたのか。
 些か大袈裟だとは思うが――その言葉にすくわれたのはまた事実で。
 精一杯の見栄を張り、震える口端を吊り上げて、何も知らないあの頃のように減らず口を返してみる。
 そうしたらあいつは、子どもの頃とちっとも変わらない泣き顔で笑っていた。


友情でも、恋愛でも、腐った目線でも何でも。皆さんの好きなように解釈を。
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