神様と12人の子供(門番)



かみさまはそのおおきなてのひらでひとびとをもれなくすくいあげるのです。

(この1文には様々な説がある、しかし確信をつくものは一つもないのだ。)


・プロローグ

明るい、日が登ったばかりの空は素晴らしい。落日とはまた違う、その柔らかさで包まれる世界にはなんとも言えない安心と高揚がある。だから、大嫌いだ。
「何もかにも、消えてしまえ、」
目を瞑る。

すっぽり、黒に包まれた世界を想像して創造する。広がり続ける朝日もそれを受けて輝く新芽もそれを伝う朝露も、そして自分までもが黒に染まり、消滅するのだ。しかし消滅は融合である、だって皆黒に融合するのだから。融合して一つになる、なんて素晴らしい事だろう。妹の作るミートパイよりも何十倍も美しいのだろう。

目をあける。
広がるは既に昇りきった朝日と瑞々しく茂る緑達のみで。
「…失敗、か。」
それすらも分かりきっていた事。
もしそれが成功したとして、何になる。全てを無にしたって喜ぶのは、

所詮作り物なのだ。ただの、創造物の、想像物、夢なんて叶いやしない。ましてや人々を救うなんて、







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