水色の爆弾、ブルースカイを忘れない






空を飛んでみたい。鳥になりたいな。思い出ではない記憶の片隅で、そんな声が聞こえた。僕らは薄い雲一つ浮かばない真っ青な空を、じり、と炙るような熱に耐えて見上げていた。ぽたり、曹達味のアイスがつう、と一滴僕の腕を伝って落ちる。そんな事どうでも良いくらい、君の言葉は衝撃的だったのだ。
「なんで、」
思い出にはならない由縁はここにある。確かに衝撃的ではあったが、頭の1ページを占めるにはまだまだ何かが足りなかった。それに比べ記憶は無意識下の物である。つまりは無意識に感じるには十分な出来事であったが、意識的に覚えておこう、と思うまでにはいかなかったのだ。実際、この先君が何と返して僕が何を言ったかは正直分からない。
「暑い、なぁ。」
空は、あの日とは違い真っ青というよりも澄んだ水色で、高く高く広がっていた。頬に触れる風はきん、と冷たく、痛い。
それでも、
「暑いね、」
僕らは白い息を吐きながら、今日も空を見上げるのだ。あの日と変わらない、この世界で。




ねえ、覚えてる?何を?僕
が空を飛びたいって言った
らさ、…ああ。なんで?っ
て聞かれて。羽が欲しいっ
て言ったら。何て言ったっ
け?あれ?何だっけ。



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