愛すべき憂鬱



ベイブレード:レイとカイ


力が欲しい、一度だけレイの前で呟いた事がある。こんな事をほざくのは、きっと一生でこいつの、レイの前だけだと思う。言ってしまえばライバル以上友達以上、しかしノットイコールで恋人つまりはまぁお気に入り、とでも捉えてもらえば良いだろうか。残念ながら頭を占めるのは深い黒を宿したこいつでなくて、
「力ってあいつの事か」
「…さぁな」
妙に敏いところ、それは確かに気に入っている部分ではあるのだが、妙に敏すぎるのは気に入らない。
「でも間違いじゃあないだろう、」
「…………、」
深追いしない、はずだ。何故なら俺はそんなレイを気に入っていたからだ。しかし、違った。
「カイは残酷だ。…そんな気も度胸も覚悟も何にもないくせに、側に置きたがる」
「レイ、」
「…………残酷だ」
金色の瞳が伏せられる。流れた涙は、見ないふりをするしか、俺は術を持ってなかった。
「…さよならだ、愛してる、カイ」
最初で最後の愛の言葉は、思っていたよりもとても重たいものだった。
「レイは甘過ぎる…俺には、」
冷たいくらいが丁度良い。
それからひと月後、俺達は世界の舞台で刀を交わせることとなる。隣に、残酷な程冷たい赤を連れて。



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