青空と月の出会い



がらり、開けられた障子の先には膝を付き、光を受ける長い金糸を垂らし頭を垂れ、障子に手を掛ける結葉と、一歩後ろの位置で同様に光を受け輝く金糸が立っていた。
普段ならば例え神谷だろうと雨宮だろうと、柳であろうとその態度に無礼者!と開口一番立ち上がり罵るだろう雪夜が微動だにしない。正確には出来ないのだ。能が、体が、神経が、自分の全てが拒否している。無心、恐怖よりも何よりも人間が恐れる物だ。結葉には心がある。綺麗な深い闇色をした心がある。相手を畏怖させる程の強い心が。しかし凪は真逆であった。まさに無心、心がないかのように、なんともいえない圧力があるのだ。
「二人ともそこに座れ」
「はい」
「…わたくしはここで。」
白夜が促すと結葉は凪を先に部屋へ入れた後、自らも入り障子を閉めてからその前、いつもの定位置に腰を下ろしたが、凪はその横で腕を組み立ったまま柱に身をもたれかけただけだった。
予想の範囲内だったのであろう白夜はちらりと凪を一瞥し叉空へと視線を戻した。同時に凪の視線も叉空を射抜く。
「叉空、こちらが現凪の、舞葉だ」
「…お初にお目にかかります、麻羽叉空と申します」ぶるりとも動かない体に鞭打って、深々と頭を下げる。舞葉は相変わらずになんともなしな視線を叉空に注ぎ、ふ、と静かに唇を震わせた。
「はじめまして」
まるで初めてではないかの様に、凪の若き当主は目を細めた。とても、柔らかく、まるで人間であるかの様に。



ふじわら…凄い一族(というより組織)
さから…主人公。雪夜の部下
せつや…藤原当主の次男。白夜の部下
はくや…藤原当主の長男。藤原で実質8番目位に偉い人
ゆいは…舞葉の弟。白夜の部下
まいは…藤原の暗殺一族凪家当主

いい加減真面目に完結させてあげたい



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