最終兵器(リーサルウェポン)



ベイブレード:ユーリとカイ

「カイ、俺の力になれ!」
それは、純粋な欲だった。力が、圧倒的存在感を放つ、力が欲しかったのだ。
それを欲と呼ぶには、些か綺麗すぎる気もしたが。


「お前は綺麗すぎる。…だから子供だというんだ」
目も見ずに告げられた、一生一代の告白(俺の力になれ!)への返事としてはかなり不充分すぎるその言葉は、しかし俺の心を更に溶かし、掴むには充分すぎた。

力が、必要なんだろう。
「お互いに、な」
良く言えば
戒めだった。
実のところ
鎖、だった。
悪く言えば
絆、だった。
つまりはただの人間だった。一人では生きることも死ぬことも出来ないただの子供だった。火渡カイをその目に見た、焼きつけたその日から。
「貴様の持論に沿ってこちらから言わせてもらえば、確かに貴様は大人だろう。なら俺は子供のままで良い。」
「……………」
「こんな面倒な感情を俺に植え付けたのはカイ、お前だ。お前が、…貴様さえ居なければ俺は大人のままだった。それでも、だ。」
「………ユーリ、」
呼ばれた名前は酷く小さくて、氷ついた心をも溶かし、燃やした輝きは残念ながら隠れてしまっていたが、それさえも包み込みたいと思うのだ。
「もう一回、」
俺があの時、その灼熱により包まれ溶かされたあの時のように、今度は、これからは俺が、
「ユーリ」

どんな熱でも溶けない氷と言う名の想いで、繋いで包んで守りたいと思うのだ。
だから、この言葉を伝えるのはきっと最後にしようと思う。
「貴様など死んでしまえ」




愛すべき〜の続きかもしれないユリカイは正義!



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