それは遠い遠い昔の話
真っ白な神様が世界を作り上げた少しあとのお話。
あるところに人々に悪夢を振りまいてしまう少女が居ました。
少女は「かみさま」以外からは嫌われ、くらい部屋でいつも一人で泣いていました。
そんな時、世界の裏の「かみさま」が言いました。
「泣かないで。僕は君とずっと一緒にいるよ」
少女はその「かみさま」と何をするときも一緒でした。
「かみさま」といれば、「かみさま」が作り上げた部屋にいれば少女は誰にも悪夢を振りまくことなく、ずっと笑っていられました。
しかし、「かみさま」は世界を救うタメの柱になりました。
誰にも言わないで。「かみさま」の兄弟にも、少女にも、何も言わないで「かみさま」は柱になりました。
少女の手のとどかない世界にいってしまいました。
少女は嘆きました。
どうして、どうして、何回も何回も叫びました。
どうして、××が行かなくちゃいけなかったの
そう少女が「かみさま」の兄弟たちに尋ねました。
彼らはこういいました。
「××って “ 誰 ? ”」
××に作られた部屋の外に出て彼女は多くの人に尋ねました。
たとえ罵られようとも、蔑まれようともしかし、××のことを知っているものは誰一人いませんでした。
少女は泣きました。いきなりの孤独と世界の残酷さに。
そうして泣き続けるうちに少女の中には色々な感情が生まれました。
悲しみ、怒り……憎しみ。
それらの感情はいつの日か少女を「悪夢」そのものにしてしまいました。
暗い部屋の中で「悪夢」は思いました。
「かみさまたちを殺して××を忘れてしまったこの醜い世界を壊してしまおう。そして…」
そして、もう一度××に会いに行こう
これは始まりのおとぎ話
歪な愛のおとぎ話