よい悪夢を
ミルキーウェイ♂寄りジラーチとナイトメア♀寄りダークライ
暗い闇の底だった。いや、底なのかすらわからない。前も後ろもわからない。わかるのはそこにいる青年の姿のみだ。
黄色のフードの中にある青年の美しさはこの世のものとは思えないほどだ。女のような白い肌に、サファイアともエメラルドとも取れる瞳を素材とした端正な顔。金色の髪と長いまつ毛は闇の中を照らす星のようだ。
そんな彼ーーミルキーウェイは一人そこに座り込んでいた。その美しい瞳にはなにも映さず、ただ、何処かを見つめていた。
ここがどこか、彼は理解していた。ここがどう足掻こうとも出られないことも彼は理解していた。今、ここの「外」でどれだけの叫びがあっても救いに行けないことをしっていた。
「悔しいか?願い星よ」
少々低い女の声に彼は瞳を後ろにへと向けた。すなにもなかったはず闇の中一人の白髪に青い目の満足そうに口角をあげて少女が立っていた。左の耳の後ろにさしてある赤い花は微かに光を帯びている。
「あれからもう何年がすぎていった…?」
青年の透き通った声が静かに問いかけると、少女は瞳を少し細め、すぐに答える。
「998年だ。セイラとレイラが自ら石へと変わった時…その時の「お前」を私は眠らせた。」
その口調はひどく嬉しそうだ。
「かわいそうだなミルキーウェイ」
その人ことに、ミルキーウェイはゆっくりと振り返る。その目に映ってる感情は宝石のように中できらめいている光で隠れてしまう。
「ミルキーウェイという「本当」のお前はまだここ以外の世界をみれてないんだ。24歳の青年が世界を見れないという辛さ…それはひどいものだろうな」
少女は黒い長い手袋を身につけた両手を高く上に上げ、クルリと回転してみる。その表情はやはり笑顔だった。
手を下ろし、彼女は口を開ける。
「かわいそうな「天の川の流れ星」。お前が…ミルキーウェイが目覚める時、きっと世界は、壊れてる
それまで、良い悪夢を」
過去文です。文章力の無ささに全世界の私が泣いた。
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