三國/創作:V | ナノ


三國/創作:V 
【悪魔の花嫁U】
 




ずっと以前から目に留めて、ゆくゆくは自分の妃にと考えて、欲しくて堪らなかった名無しが、曹丕の命令を何でも素直に聞くようになったのだ。

しかも今夜は涙に濡れた可愛らしい顔で曹丕の物を赤い唇にくわえこみ、淫らな水音を立ててフェラをしながら、自分も濡れる程感じていたのだ。

曹丕にとって、こんなに嬉しい事はなかった。

このまま順調に調教が進んでいけば、やがては自分のどんな要求にでも応えられるような妖婦となる事だろう。

そうすれば、安心して昼間は皇子としての責務に全力投球する事が出来る。

普段の仕事や執務で積もり積もったストレスは、全て名無しに癒して貰う事が出来る。

昼も夜もその全てを捧げ尽くし、夫の身も心も癒す事に専念する。

それが自分の考える理想のパートナーだと曹丕は思っていた。


この分なら、一月もしない間に────名無しは一人で眠れない体になる。


名無しの体に変化が起こっているという確実な手応えを感じた曹丕は、人知れずニヤリとほくそ笑む。

すると名無しが曹丕の首に回した両腕に力を込め、泣きながら曹丕に許しを請う。

「ゆ、許して下さい……。ひっく……。もうあんな事しないから…許して下さい……」
「……名無し……」

絶頂感の余韻に酔い痴れている名無しが、それでも必死に意識を保って曹丕に謝罪の言葉を述べている。

名無しの言う『あんな事』とは、李慶に手を上げた事である。

その事を曹丕がこれだけ怒っているのだ。だから自分はいつまで経っても許して貰えないのだ。

だから誠心誠意謝罪しなくてはいけないのだ…と思っているように見える名無しの健気な姿は、氷のように凍てついていた曹丕の心をゆっくりと溶かしていく。

それは決して名無し以外の女では出来ない事を、曹丕自身は知っていた。

「曹丕…、許して……」
「ああ…仕方のない奴だ、名無し……。そんな顔をされると……さすがの私も気が変わる」

熱く擦れた声で囁いて、曹丕は黒く輝く瞳でうっとりと名無しを見下ろした。

曹丕は両腕で名無しの腰を掴み、名無しの体を自分の方に引き寄せる。

慣れた所作で豪華な衣裳の裾を割ると、堅く勃起している曹丕自身で名無しの入り口を突っつく。

「出してやろうかと思ったが仕方ない。巨峰は全部……ワインにする」

低い声でそう宣告すると、曹丕はいきなり腰を進めて名無しの秘部に熱い塊を押し当てて、そのままググッと一気に挿入したのである。

「あぁぁ…だめぇぇ……」

突然の挿入に驚いた名無しが、誰かに助けを求めるようにして必死で手を伸ばし、シーツを自分の傍まで手繰り寄せる。

巨峰や指とは全く質量が比べものにならない曹丕の分身に犯された名無しの内部は一瞬怯えたが、すぐに男の侵入を受け入れる体勢になっていく。

「いっ…いやぁぁぁ……」

曹丕が少しずつ腰を進めると、巨峰の果肉を奧へ奧へと押し込むようにして分身が入ってくる。

「あぁぁ…だめだめっ……そんな……」

名無しは悲鳴を上げたが、曹丕の逞しい分身はあっという間に根元まできっちり名無しの体内に挿入されていた。

「ふふっ…ほら…全部入ったぞ。巨峰はどこに行ってしまったのだろうな?名無し……」
「あぁ─ん…動いちゃ…だめぇぇ……」

どこまでも意地悪な声で、曹丕が名無しの耳元に唇を寄せて囁く。

だが名無しはそんな曹丕の声だけで、全身の毛がザワザワッと逆立つ位に感じ入っていた。

「あぁっ…あっ……あぁぁ──っ……」

名無しは言葉にならない喘ぎ声を発しながら、曹丕の背中に両腕を回してしっかりとしがみ付く。

それと同時に名無しの頬を一筋の涙が流れ、たまらない切なさで名無しは胸が締め付けられていた。


この身はもう、半分以上魔界に足を突っ込んでいる。


初めて曹丕から『妃になれ』と言われた時、自分はどうしても了承出来ないでいた。

漆黒の闇の中、李慶の腕から救い出してくれた時の曹丕は、月明かりの下で光り輝く黒髪の魔王のようだった。

見た目の美しさも、世に広く知られる彼の武勇も、彼の身に備わっている風格と器の大きさも。

自分が知る限り、曹丕は誰よりも時期国王に相応しい男だと思っている。

しかし───気に入らない事があれば誰であろうと即刻切り捨てる冷酷な曹丕の物になる事は、名無しにとって誇らしい事とは思えなかった。

他の女性達がどう思っているのかは知らないが、自分は魏の為に働きたくてこの城の門を叩いたのであり、婿探しに来たのではない。

『頑張っているようだな、名無し』

尊敬する曹操にそう言って誉めて貰えるだけで、自分は十分身の置き場に満足していたのだ。

その自分が、今ではこの美しい悪魔にすっかり魅入られてしまっている。

彼に抱かれれば抱かれる程にどうしようもない位に感じてしまい、激しく喘げば喘ぐ程に愛しさが募ってしまう。

曹丕が喜ぶ事なら、何でもしてあげたいと思う。

曹丕が自分にする事は、何でも許してあげたいと思う。

そう思ってしまう事は、本当は罪な事なのだろうか。

今となってはごく当たり前とも思える感情なのに。

こんな事を思っているという事自体、すでに自分の中で何かが狂ってきているのだろうか?

絶望に染められて、彼の事を思って流れ出す涙さえ、曹丕の心には少しも届かないと知っていても。

一度彼のような男を愛してしまったら、もう二度と後戻りをする事は出来ないと知っていても。


(愛………して?)


今の不可解な言葉は、一体どういう訳だろう。


私は……曹丕の事を……。



この悪魔のような男性の事を、いつの間にか…愛して────いたのかもしれない。



「いやああああ………」

曹丕が名無しの内壁を抉るように腰を使っていると、曹丕の先端に巨峰の粒が当たった。

だが曹丕は何ら気にする事もなく、その果肉を潰すような勢いで、何度も激しく分身を打ち突けていく。

「あん…あ─ん…動いちゃだめぇぇ…中のが……潰れちゃう……」

名無しはポロポロと大粒の涙を流し、嫌だと必死に首を振る。

曹丕がそれでも激しく腰を前後に動かすと、曹丕の先端に当たっていた果肉が名無しの中でグチュッと潰れた感触がした。


[TOP]
×