三國/創作:V 【悪魔の花嫁U】 「ではお前が私の機嫌を損ねるような事をしなければ良い。逆らえば即刻処理をする。新しい買い手の男に女達一人一人が連れ去られていく様を、お前に見せ付けてやる」 曹丕は穏やかな口調とは裏腹に恐ろしい言葉を名無しに浴びせると、男前の顔でニヤリと笑う。 曹丕の長い指先が執拗に自分の髪の毛に絡み付くのを感じながら、名無しは曹丕の発言について思いを巡らせていた。 曹丕なら平気でやりかねない。 違う…もし本当に私が逆らった事による見せしめの為に行うのなら、曹丕は必ず今の言葉を実行に移す。 『殿は恐ろしい御方だ。殿に求められた時は、いつものように素直でいる事だな。……くれぐれも従順さを忘れるなよ』 以前司馬懿が楽しげに笑いながら、それでいて厳しい声で名無しに告げた言葉の真意を、名無しは今更ながらに深く噛み締めていた。 曹丕はその美しい容貌からは想像がつかない程に、残忍で冷淡な皇子であった。 つい先日も、ちょっとした事から曹丕の機嫌を損ねてしまった配下の兵士に、曹丕は何のためらいもなく愛用の剣を振り下ろした。 名無しが涙ながらに制止したにも関わらず、曹丕は名無しの見ている前で兵士の首をはねたのだ。 まだ年若い前途有望な兵士が、曹丕の手によって一瞬の内に見るも無残な姿に変わり果てる瞬間を目撃してしまった名無しは、ショックのあまり丸一日食事が喉を通らなかった。 「いいか名無し。私に逆らおうなどと愚かな事は考えぬ事だ。それより…私はお前の体が見たい。李慶に叩かれたのは顔だけだと思ったが…。唇以外に傷は付いていないと思うが、この目で確かめたい」 「…ぁっ…」 ギンッ。 闇のように漆黒で、それでいて妖しい魅力を秘めた男の眼光で正面から瞳を貫かれ、名無しの全身からはみるみる力が失われていく。 いつも通りに自分の意志で体を動かす事が出来なくなり、名無しはおとなしく曹丕の言葉に従った。 ブルブルと震える指先で上着の止め具を外し、順番に脱いでいく。 最後の一枚も脱ぎ去り、目の前に曝け出された名無しの裸体を見た曹丕が、満足気に両目を細めて名無しの頬を撫でる。 曹丕や司馬懿から愛玩動物のように大切に扱われ、傷一つ見受けられない滑らかな名無しの素肌。 左右の乳首は曹丕が以前目にした時よりもより充血して赤くなっていて、あれから乳首をたっぷり調教されたのだという事が見てとれた。 「ふふっ…調教は順調に進んでいるようだな。結構」 「あぁぁ…。いやぁ…」 鋭利な双眼でもう一度見つめられた途端、名無しの頭の天辺から足の爪先までビリビリッと電流が走り抜ける。 たったそれだけの事でクラクラと目眩を覚えてしまい、よろめきながら曹丕の顔を見上げた名無しはブルッと一瞬身震いを起こす。 間近で見た曹丕の顔立ちは精悍で、男らしくて、支配者の威厳に満ちていた。 彫刻のように整った顔には黒曜石の如く黒い瞳が淫靡で悩ましい輝きを放っていて、名無しはそんな曹丕に見惚れながらも懸命に己の意志を保とうと試みる。 (だめ…。これ以上この瞳を見ては……だめっ) 名無しは何とかして彼の顔から目を背けようとする。 だが、まるで視線が縫い付けられてしまったかのように曹丕から離れる事が出来なくて、名無しの額からは冷たい汗がタラリと流れ落ちるだけ。 これ以上曹丕の瞳を見つめ続けていたら、人格が崩壊し、甘美な魔の世界へ魂ごと引きずり込まれてしまう。 それが分かっているはずなのに、どうしても彼の瞳に映っていたくて、その眼差しで見つめられたくて、名無しは吸い寄せられるように曹丕の瞳に視線を合わせる。 「……そのまま口を開け」 「は…、はいっ……」 ゾクリ。 微かに甘さを帯びた声で命じられ、名無しはうっとりと溶ろけきった眼差しで曹丕に応える。 曹丕に言われた言葉の意味を理解出来た名無しはゆっくりと彼の足元に跪き、曹丕の腰帯に手をかけて少しずつ解いていく。 「……っ」 すでに堅く形を変え始めている男の象徴を間近で見つめ、名無しの喉が緊張感でゴクリと鳴る。 幾度と無くフェラの練習をさせられていた名無しだが、司馬懿の指導を受け始めてから本物相手に奉仕をするのは今日が初めてだった。 下手くそな女相手には舐めさせる気も起こらない、と言う司馬懿によって、男性器の形をした調教具で練習を積んできたのだが、あくまでもそれは道具相手の事である。 実際に司馬懿や曹丕相手にフェラをした事は一度も無かったので、どんな評価を下されるのかと思い、名無しの胸中は不安で染まる。 (でも────やらなければ) 高鳴る鼓動を抑え、覚悟を決めた名無しは天を仰いでいる曹丕自身を両手で挟み、口中に飲み込んでいく。 「んっ…んんっ……」 何度も練習していた事だけど、相変わらず息苦しくて声が出る。 普段使用している冷たくて硬質的な物体とは違い、温かくてヌルリとした感触に一瞬違和感を覚えたが、それもやがては慣れていく。 初めて飲み込んだ曹丕の分身は、練習に使用していた調教具よりもずっと太くて大きかった。 苦しい。 どうして自分がこんな事をしなくてはいけないのだろう、という激しい羞恥で頬を染めながら、名無しは懸命に曹丕の物を少しでも奥へと押し込む。 「んんっ…ぐぅ……」 半分程含んでみただけで、名無しの口の中は一杯になってしまう。 「もっと奥まで飲み込まないと…私を満足させる事は出来ないぞ」 曹丕は、まるで征服者のように威圧的で堂々とした態度で名無しに要求する。 「だめだ。もっと深く飲み込め…もっと…もっとだ」 「んぅっ……」 厳しい口調でそう言いながら、曹丕は名無しの口中にグイッと腰を突き入れる。 その拍子で名無しの喉の奥の方に男の大きな分身の先端が入り込み、名無しは思わず分身を吐き出してしまいそうになる。 「ふ…、あ…っ…」 喉元スレスレまで込み上げる嘔吐感に、名無しの目尻からポロポロッと涙が零れた。 司馬懿に言われた通りの事をやらなければ。 曹丕に満足して貰えないと、いつまで経ってもこの苦しみから解放されない。 そう悟った名無しはキュッと目を瞑ってその感覚に堪え、舌と唇の全てを使って精一杯曹丕の物を愛撫していく。 [TOP] ×
|