三國/創作:V 【Under WorldW】 「あぁっ…もっと…もっとして…珠稀さんっ……」 もっと深い部分に男を受け入れたくて、強烈な快楽を享受したくて、名無しが甘い声で珠稀に媚びる。 さっきまであんなに『いや』と言っていた名無しの変貌ぶりに優越感を刺激され、珠稀は喉の奥でクッと笑いながら腰の動きを早くする。 「あぁぁ──っ…。本当にもう…死んじゃうっ…」 「まだだめ。俺を散々焦らした分、もっと楽しませな」 「だ…だめっ。珠稀さん…本当にだめ──っ…」 「だめだ。名無し…」 「あああ──っ、イッちゃう───っ」 許さない、と珠稀が告げたのに、名無しは珠稀よりも先にイッてしまう。 キュウキュウと痛い位に珠稀の物を締め付ける名無しの内壁の感触で、珠稀はその事を悟っていた。 「名無し…。先にイクなっつっただろうが。何で俺の言う事が聞けねえの?」 ちょっとでも気を抜くと自分の方が達してしまいそうな程に心地良い名無しの感触に、珠稀が熱っぽく擦れた声を零す。 珠稀の逞しい分身を根元まできっちりくわえこんでいる名無しの秘部の入り口は、自らの体液でたっぷりと濡れて光っている。 その淫靡でいやらしい光景を、両目を細めるようにして見つめていた珠稀は、無意識の内に舌舐めずりをしていた。 「ご、ごめんなさい…珠稀さん…。だって気持ち良かったんだもの…。珠稀さんのが…物凄く…気持ち良すぎちゃう……」 「んっ…、マジで?名無し…。嬉しいけど…当然だろ?」 甘えるように男の唇に舌を這わせる名無しの色香に誘われるように、珠稀は自分から口を開いて彼女の舌を絡め取る。 互いの唇を隙間なくぴったりと合わせるようなディープキスを重ねると、名無しはチュッ…と音を立てて珠稀から唇を離し、涙で濡れた瞳で男を見上げた。 「お願い…珠稀さん。珠稀さんが欲しいの。一杯欲しいの……」 「ううっ…。名無し…そんなやらしい顔すんなよ。だめったらだめだ。もっと俺を楽しませてからじゃねえと。俺をここまで発情させたのはお前だろ?責任取れよ」 「ああ―ん…。だってもう…壊れちゃう…。珠稀さんが凄すぎるから…激しいから…死んじゃうぅ……」 「…は…、しょうがねえヤツ…。奥までぐちゃぐちゃだぜ?お前……」 可愛すぎる名無しの懇願を耳にして、まだ絶頂を極めていない珠稀の分身が、名無しの体の中でピクンッと跳ねる。 「あぁぁっ…。これ以上…大きくしないでぇぇ…」 男によって執拗に責められ続けた名無しの内部はとても敏感になっていて、男のそんな変化にも反応し、余計に珠稀を締め付けていく。 「名無しのお望み通りに全部壊してやるよ。俺で」 角度を変えて突き上げる男の先端が、今まで当たらなかったような深い部分を擦り付ける。 未知なる快楽の世界に誘われるかのような強烈な快感に、名無しが背中を反らせて泣き叫ぶ。 「あぁぁ───っ。だめっ、珠稀さん…そこで動いちゃいや……」 「もっと、溶けちまいな」 いっそ、このまま気を失ってしまった方が楽かもしれないという考えが、名無しの脳裏をよぎる。 目眩がするような快感と闘いつつも、必死で意識を失わないようにと堪えている名無しの胸に手を伸ばし、珠稀が指先で彼女の乳首を摘んでいく。 そして赤く尖っている乳首を挟み、指の腹でクニクニと揉みしだくようにして名無しを弄ぶ。 「あんっ…あんっ…あぁぁっ……」 上半身と下半身を同時に責められて、名無しの喘ぎ声が次第に言葉にならなくなっていく。 絶妙な強弱を付けて、珠稀が下から名無しの中を突き上げる。 名無しの腰を掴んで珠稀が上下に揺さ振る度に、グチャグチャッといういやらしい音が室内に響き、名無しの意識が遠ざかる。 激しく突き上げる腰の動きと、乳首を優しく愛撫する珠稀の行為に、名無しはあっという間に絶頂へと追い詰められてしまう。 「あぁぁぁ───っ…。もう…イッちゃう……!」 男の先端が最も深い部分を擦り上げた瞬間、名無しがひときわ淫らで妖しい喘ぎ声を上げて仰け反った。 絶頂を極める際、名無しの内壁が絶妙なタイミングで男の物を根元から幾重にもキュキュッと締め付ける。 その心地良さと言えば、経験豊富で女を抱き慣れている珠稀ですら、クラクラと目眩を覚える程だった。 さすがの珠稀もこれには堪えきれず、名無しが果てるのとほぼ同時に名無しの中で絶頂を迎えていた。 「名無し…。はぁ…名無しっ……」 ドクドクッ、と己の分身が激しく脈打つのを実感しながら、珠稀がギュウッと力一杯名無しを抱き締める。 「あぁぁ…珠稀さん…あっ…あぁっ……」 聞く者の脳を溶ろかせてしまいそうな名無しの喘ぎ声を聞きながら、珠稀が名無しの最奥に欲望の証を放っていく。 名無しは、この瞬間がたまらなく好きだった。 例え珠稀に愛されていなくても、彼の体の一部をこうして自分の体内に取り入れる事が可能なのだ。 意識を失う直前に目にした、眉間に微かな皺を寄せて絶頂の余韻に浸る彼の姿が色っぽくて、自分を抱き締める腕が力強くて、余計に泣きそうになる。 珠稀さん。貴方はいつも自分の事を『俺は嘘吐きだから』と言いますよね。 だったらもう、いっその事嘘でもいいのです。嘘だと分かっている上でもいいのです。 どうか一言でもいいから、偽りの愛の言葉を私に告げてくれませんか。 どれだけ嘘臭い態度でも、馬鹿にしながらでも構わない。嘲笑いながらでも構わない。 どうかたった一言、何の心も気持ちも通ってなくても構わないから、偽りの愛の言葉を恵んで欲しい。 もしこの世界が終わりを告げる日が来たら、その最後の瞬間でいいから。 私の命が燃え尽きる直前に、せめてものはなむけ代わりに、微笑みながら言ってほしい。 『────愛してるよ。名無しちゃん』 貴方の告げる言葉の全てが、嘘偽りでも構わない。 その、たった一言だけで。 貴方のたった一度きりの言葉だけで、私はこの苦しみから逃れられると思うから。 「スピリタス・ウォッカ。ボトルで」 名無しが意識を失った後、珠稀は彼女と風呂に入る前に一息つこうと思い、彼専用のソファーに腰掛けていた。 愛飲の酒を要求する主人の呼び掛けに答え、黒服の一人が部屋の奥から酒の入ったボトルを手にして現れる。 「旦那様」 「何かな。説教はいらねえよ」 「前々から思っていたのですが、もう少しお嬢様には手加減されたらどうでしょうか。毎回あのご様子では、お嬢様はお城に戻れない程に腰が立たなくなると思いますよ」 「ああもう〜っ、うるせえなあ。一々手加減なんかしてたら、セックスで絶頂なんて極められねーっつーの!」 わざとらしく頬を膨らませ、珠稀が黒服に反論する。 [TOP] ×
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