三國/創作:V | ナノ


三國/創作:V 
【Another worldW】
 




「あっ…あぁぁぁ…溶けちゃう…だめ…だめ……」

名無し様がどれだけ涙を流して抵抗しても、俺は一向に腰の動きを止めるつもりはなかった。

いくら名無し様が媚薬の効果で淫らな体に変貌を遂げていたとしても、名無し様が心の奥底から本気で抵抗していたというなら俺はすぐに止めたに違いない。

だけど、名無し様の口から出る『いや』は、そうではないのだ。

口ではどれだけ俺の行為を拒んでいたとしても、俺の動きに焦れたように腰をくねらせる名無し様の姿は『もっとして』と言っているようにしか見えなかった。

「いゃぁぁ…ああんっ…イッちゃう……」

まだ俺の物を半分しか挿入されていないのに、媚薬の力で敏感になっている名無し様は限界に達しそうになっていた。

案の定、それからグチュグチュと数回彼女の中をこすっただけで、名無し様は呆気ない程に早く俺の目の前でイッてしまったのだ。

「あぁぁぁ────っ」

絶頂を極めてしまった直後の名無し様の内壁が、キュキュッと俺の物を幾重にも締め付けてくる。

久しぶりに女を抱いた俺は、その感触のあまりの心地よさにもう少しでイッてしまいそうなところだった。

「んっ…。名無し様…何でもうイッちゃうんですか?まだ半分しか入れてないのに……」
「あっ…あっ…ごめんなさいっ……」
「ほら…また締め付けた。そんな事されたら…俺も我慢が出来なくなります」
「あぁぁん…だって…こんなのもう…だって……」

頭がクラクラとするような目眩にも似た感覚を覚え、俺は思わず低い声で呻いて下唇を自分の舌でぺろりと舐めた。

俺を見上げる名無し様の瞳は情欲の色に染められて、俺の物を受け入れている内部は時折ビクビクッと痙攣して腰が上下に揺れている。

はたから見ればとんでもなく破廉恥に見えるであろうその姿だが、それは俺の事を求めている証拠だと受け止めた俺にとってはたまらなく嬉しい事だった。

「あっ…あぁぁ…。動いちゃだめぇ…秦……すごいの……」
「なにが…どうすごいんですか?名無し様。俺に聞かせて……?」

ズンッという感触とともに、俺の物が名無し様の奧深くまで深々と突き刺さる。

まだ早かったかな…と一瞬微かな不安が脳裏をよぎったが、すでに熱く熟れて溶け切っていた名無し様の秘部は俺の分身を根元まですんなりと受け入れて、何度も締め付けてきた。

「あっあっ…。お…大きくて…堅くて…太いの…あああっ……。いやぁぁ…秦…そんなに奥まで入ってきちゃうの?」

睫毛を涙で濡らしながら、俺の問いを受けた名無し様が素直に感じるままを口にする。

そんな名無し様の仕草が可愛くて仕方なくて、俺は一旦腰の動きを止めて彼女の体を抱き寄せる。

その僅かな振動だけで『あんっ』と甘い声で悶える名無し様の中に自分の物を入れたままで体を入れ替えると、騎乗位の体勢に変更した。

名無し様は一瞬恥ずかしそうな顔を見せたが、そんな程度の抵抗は俺によって簡単にねじ伏せられる。


俺はそんな淫らで淫靡な格好で俺に跨がる名無し様の痴態をしっかりと目に焼き付けると、彼女の腰を両手で掴んで一気に引き下ろす。

「名無し様…。俺が欲しいって言って。もっと俺の物で一杯中まで抉って欲しいって…」
「あっ…秦…秦…。そんな深いとこ…グリグリしないでっ。こすっちゃいや……」
「言って…名無し様」

名無し様の腰を持ち上げて俺の物をゆっくりと引き抜いて、再び勢い良く彼女の腰を落として何度も俺自身を打ち付ける。

名無し様の中から溢れ出る体液が俺と彼女の太腿までぐっしょりと濡らす位になると、名無し様の唇からは今までとは違うねっとりした喘ぎ声が漏れ始めた。

「あああ…あっ…。秦…どうしよう…気持ちいいの…。気持ち良くて…死んじゃいそう……」
「……っ。俺もですよ…名無し様。こんなのは初めてです…すごくいいっ……」
「ああ―んっ…秦…もっと…もっと深いところがいいの…。お願い……早く来てぇ……」

自分から腰を擦り付けるようにして、名無し様が涙を流して俺に哀願する。

こんなにも悩ましくて艶やかな色気に満ち溢れた名無し様のエッチな姿を前にして、俺はもう時間をかけて彼女の体を慈しむ余裕などとっくに失っていた。

これが、決して女に不自由していないようなあの凌将軍や陸将軍をメロメロにさせて虜にした名無し様の媚態という事か。

痛いほどに締め付けてくる名無し様の心地良い内部の感触と絶技をとことん味わいながら、俺は改めて名無し様のすごさを実感した。

「名無し様…いいっ。本当に好きです。愛してますっ…名無し様……」
「いやああ…だめだめっ…。すごい…死んじゃう…」
「すげ…気持ちいいっ…。好き…好きです…名無し様……っ」
「あん…秦…秦っ…。し、死んじゃう…もう…助けて…溶けちゃう…あぁぁっ」

キュッと目を瞑ってめくるめく快楽の波と必死で戦っているような名無し様をうっとりとした眼差しで見上げつつ、俺は全ての思いを込めて名無し様に自分の気持ちを告白した。

名無し様はもう完全に意識が朦朧としてしまっているようで、俺の囁きには何の反応も示してくれようとはしない。

でも、俺は別に構わなかった。

名無し様の耳にこの声が届かなかったとしても、俺は十分幸せだと思った。

『この世で一番幸せな瞬間は、愛する人に自分の思いを告げる瞬間だ』ってどこかで聞いた事がある。

それが成功するとか失敗するとかいう問題ではなくて、肝心なのは思いを告げるという自分の行動そのものなのだ。

ああ、自分は今、愛する人に積年の思いを告げたのだ。今まで長い間ずっと勇気が出なかったけど、やっとこうして相手の目を見て伝える事が出来たんだ。

告白した本人は『この時点』で人生最高の高揚感とエクスタシーを感じているので、もう9割方満足してしまっている事が多いんだよな。

『付き合って下さい』、と言って相手の手を握った瞬間が男女の恋愛における幸福度指数の頂点で、あとはもはや時の流れと共に下降していくのみ、って話も聞くけれど、今の俺なら何となく分かるような気もする。

名無し様が俺の気持ちを知っていようが、知っていなかろうが、そんな事はどうだっていい。


ああ…、幸せです。名無し様。



貴女の合意があろうがなかろうが、俺の人生にとって今日は最高の日だ。


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