三國/創作:V 【Another worldW】 「あっ…ダメぇ……。秦に一杯キスされると…余計におかしくなっちゃう……」 「ん…、名無し様…。そんなの俺が全部治してあげます。おかしくって…どこがどうなるんですか?」 顔中に何度もキスの雨を降らせながら名無し様に聞いてみると、名無し様がより一層瞳に涙を溢れさせて切なそうに泣いている。 「もっと体の奥が…変なの……」 俺の問いに舌ったらずな声音で返事を続ける名無し様が、何かをねだるように自ら白い腰をくねらせる。 「体の中が熱くて…一番奧がおかしいの……。口の中より…ずっとヌルヌルしてて…変なのぉ……」 「…そ、それって…」 普段の名無し様からは想像も出来ない位の妖艶で淫らな姿態を直視して、俺は何とも言えず激しい飢えと喉の渇きを感じていた。 「じゃ、じゃあ口じゃなくて、そっちならキスしても……いいですか?」 上ずった声で違う提案を告げる俺の喉が、ゴクリと鳴る。 甘えるような声と表情を作って名無し様に尋ねると、名無し様はポロポロッと大粒の涙を流して俺に訴えた。 「あっ…秦…だめ…。そんなエッチなことしちゃ…だめ…」 「は…っ…。名無し様…何で『だめ』しか言ってくれないのですか?俺、もっと他の事を言って欲しいんですけどっ…?」 名無し様のあまりにも可愛い断り文句に、俺の下半身は今にも爆発しそうになってしまった。 ああっ…、たまらないな。この恥じらい。 甘く媚びるような名無し様の喘ぎ声を聞くだけで、俺の下半身が熱くズキンッと疼き、身体全体にカッと火が点くような感覚に捕われる。 一刻も早く名無し様と結ばれて、いきり立った俺自身を彼女の体内に容赦なく突き刺したいと思っていた。 ≪わくわくするのは女の尻を追っかけている時だけさ。女でも、宝石でも、権力でも、人間ってなかなか手に入らない物を自分の物にしたくて燃えている時が一番楽しい時期じゃないのかい?≫ ≪それに比べりゃ、両思いになってからのセックスなんて単なる刺身のツマみたいな行為と言うか、食事の後の爪楊枝みたいなもんだよねぇ。────つまらないっての≫ いいや。俺は違う。 以前凌将軍が漏らしていた独白が一瞬頭によぎった俺は、即座にその考えを否定する。 凌将軍みたいな遊び人からすれば無価値な事かもしれないけれど、愛する人と結ばれる事は俺にとって何よりも大切な事なんだ。 きっと普通の兵士でしかない俺が名無し様に手を出すなんて、仲間の兵士達から見れば間違いなく狂気の沙汰だろう。 でも、俺は今自分が彼女にしようとしている行為がおかしいなんて思わない。後ろめたい事だなんて思わない。 名無し様に対する愛情表現の選び方をどこかで間違えてしまったのかもしれないが────別に気は狂っちゃいないさ。 そんな事を考えながら、ふと他人の気配を感じて医務室の窓から外の景色を見てみると、遠くの方でちらちらと松明の明かりが揺らめいているのが見える。 もう夜も遅い事だし、見回りの兵士達が丁度この近辺を巡回している時間帯なのだろう。 「……秦……?」 「……。」 急に黙り込む俺を見て、名無し様が微かに不安げな顔をする。 俺の記憶が正しければ、見回り当番の彼らはあの周辺のルートを全員でグルリと巡回した後、隣の棟へと移動していく予定のはずだ。 彼らと医務室の間にはこれだけ距離が遠く離れている訳だから、名無し様との情事が彼らに見つかってしまうとか、彼女の声が聞こえてしまうという可能性は極めて低い。 しかし、だからといって悠長に彼女との行為を楽しんでいられるような余裕もないし、時間もない。 いくら事情があるとは言えど、あまりにも彼女の帰りが遅くなってしまったら不審がる人間達もいるだろう。 ああっ、ここがどうして医務室なんだろう。 どうして俺には武将の方々のように自分だけの個室がないのだろう。 夜分遅く、彼女の部屋に入れる身分ではないのだろう。 せっかくの名無し様との記念すべき初エッチがこんな状況だなんて、あんまりだ。 気が済むまでゆっくりと名無し様の体を愛してあげられない事だけが悔やまれるが、仕方がない。 「本当はもっと色んな事をしてあげたいと思うんですけど…すみません。そんな余裕も無いので」 そう宣告するが早いか、俺は名無し様の衣裳の裾をめくりあげ、慣れた手つきで器用に彼女の下着を脱がせていった。 そしてそのままの流れで名無し様の両足を左右に大きく割って、高く抱え上げるようにして一気に折り曲げる。 「い…いやいやっ!秦…いやっ…!」 自分がしているあまりにも恥ずかしい格好に、名無し様が瞳一杯涙を浮かべて行為の中止を訴える。 両膝が胸に付くほどに折り曲げられて、下半身を隠すものが何もなくて、名無し様の恥ずかしい部分が丸見えなのだ。 「じっとして、名無し様。ひどい事は絶対にしません。大事な名無し様の為だから」 「……あんっ……」 そう告げて剥き出しになった名無し様の秘部をぺろっと舐めると、名無し様の唇から甘ったるい喘ぎ声が溢れ出る。 自分が発した声のいやらしさに信じられないという顔をして、名無し様が慌てて自らの手で口元を塞いで押さえ込む。 「ああ、それ…いいですね。名無し様の可愛い声が聞けなくなるのは残念ですけど…。そうやって声が出ないように押さえていてくれると、助かります」 「そ、そんな…。秦…だって…だってぇ……」 何の遠慮もない俺の言葉がよっぽど恥ずかしかったのか、名無し様は思わず両手で顔全体を覆って俺から目を背けようとする。 その姿がたとえようもない位に色っぽくて可愛くて、俺はそんな彼女の全てが心の底から愛しかった。 「名無し様…可愛いっ」 彼女に対する感情を素直に口に出して表現すると、俺はもう一度名無し様の中心部に唇を押し当てる。 名無し様の秘部に添えた指先を左右に広げて彼女の入り口を大きく割り、名無し様の奧深くまで舌が届くように準備してから自分の舌先を差し込んだ。 「あああん…いや…いやっ…。秦…そんなこと…しちゃいやっ。舐めないで……」 生暖かくて湿った俺の舌先が自らの体内に挿入された事を感じ取り、名無し様が俺の髪に手を伸ばして指先を絡ませる。 涙で潤んだ瞳で俺を見ながら俺の髪をキュッと掴んで快楽に耐えようとしている名無し様を見ていると、余計に彼女の体を責め立ててやりたい衝動に駆られていく。 俺はそんな名無し様の手を掴んで自分の頭部から引き剥がすと、名無し様の手を彼女自身の口元に再び押し戻す。 [TOP] ×
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